高齢者が家を売るメリットデメリット│売却以外の選択肢3つ

高齢になり「老後の家の処分について悩んでいる」という方は多いのではないでしょうか?
家を引き継ぐ世帯がいない場合、早いうちから売却や家を売る以外の選択肢を考えておくべきです。

高齢者がを売るには、

  • 家を売る際のメリットデメリット
  • 家を売却したほうが良いケース
  • 家を売る以外の選択肢(リバースモーゲージ、リースバック等)

などについて理解しておくことが必要です。

この記事を最後までお読みいただくことで、「家を手放すか、住み続けるか?」といった悩みに適切な判断ができ、快適な老後の住まいに向けて対策がとれるようになるでしょう。

家の売却について基礎から詳しく知りたい方は『家を売る方法』もご覧ください。

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1.高齢者が家を売るメリット

高齢者が家を売るメリット イメージ

高齢者が家を売却するメリットは、次の3つがあります。

  • 生活しやすい家に住み替えできる
  • 老後の生活資金を確保できる
  • 相続の話で揉めるリスクを避けられる

各メリットについて、詳しく解説します。

1-1.生活しやすい家に住み替えできる

売却することで生活しやすい家に住み替えができます。

  • 子どもが独立しており必要以上に部屋数が多い
  • 庭が大きく手入れが必要
  • 二階・三階建てで移動が負担

といった場合、コンパクトサイズのマンションなどに住み替えることで日常生活の負担を取り除き、生活しやすくなります。

子や親族にとっても、マンションであれば相続や維持管理、相続後の売却も比較的しやすいといったメリットがあります。

1-2.老後の生活資金を確保できる

老後の生活資金を確保できます。
家を売却して利益が出れば、老後の生活資金に回せます。また、住宅ローンがあれば完済でき、毎月の返済の負担がなくなります。

1-3.相続の話で揉めるリスクを避けられる

相続の話しで揉めるリスクを避けられます。

不動産は貯金や株などと比べて正確に分配するのが難しいため、家や土地などを残すと相続人間でトラブルに発展することがあります。

あらかじめ売却し現金化しておくことで、遺産を分けやすくなります。

2.高齢者が家を売るデメリット

高齢者が家を売るデメリット イメージ

家を売却する際、想定されるデメリットは次の3つです。

  • 新しい住まいに慣れるまで心身に負担がかかる
  • 賃貸契約を断られる可能性がある
  • 毎月の家賃が発生する

各デメリットについて、詳しく解説します。

2-1.新しい住まいに慣れるまで心身に負担がかかる

どんな方でも、新しい住まいや環境に慣れるまで心身に負担がかかるものです。

特に高齢者の場合、長年慣れ親しんだ生活スタイルの変化や近隣の顔見知りや頼れる人がいなくなることで、何かとストレスが多くなることでしょう。

また、新しい住まいに移ることで、使い慣れていない家の設備や間取りに不便さを感じることもあります。

2-2.賃貸契約を断られる可能性がある

高齢者の場合、賃貸契約を断られる可能性があります。

高齢者が賃貸住宅への入居を断られやすい理由としては、下記2つがあります。

  • 孤独死などの可能性がある
  • 金銭面での不安がある

高齢者の一人暮らしの場合、孤独死等の可能性があります。予期せぬことで入居期間が短くなったり、発見が遅れたりする可能性が若年層よりも高いため、貸主より難色を示されるケースがあります。

また、高齢者は年金生活者が多く保証人の設定もしづらいため、貸主として金銭的な不安があるという事情もあります。

2-3.毎月の家賃が発生する

賃貸に住み替える場合、毎月の家賃の支払いが発生します。

一戸建ての持ち家で住宅ローンを完済していれば、維持費は固定資産税と都市計画税、不定期でかかる家の修繕費などが通常です。

一方、賃貸に住み替えた場合、毎月家賃と共益費がかかります。また、一般的に2年おきの契約更新時に更新費用(通常家賃の1か月分程度を負担)もあります。

賃貸住宅に住み替えることで、毎月の生活費が増えることになります。

以上、売却することを前提としたデメリットを解説しました。
ただ、物件に問題がある場合は、いつまでたっても売却すらできないこともあります。
詳しくは、『一戸建てが売れない5つの理由と7つの対策』をご覧ください。

3.高齢者が家を売却した方がよいケース

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高齢者が家を売却したほうが良いケースは、下記の3つです。

  • 老人ホームへの入所を決めている
  • 日常生活に支障がでている
  • 身近に頼れる人がいない

3-1.老人ホームへの入所を決めている

老人ホームへの入所を決めているのであれば、すぐにでも売却を進めましょう。

老人ホームへ入所となれば、家を残しておく必要はなくなります。子や親族が引き継ぐ予定がない限り、家を売却しても問題はないでしょう。

また、家の売却利益を老人ホームの入所費用に充てられるメリットがあります。固定資産税などの税金を支払わなくてよくなるので、経済的負担も減らせるでしょう。

3-2.日常生活に支障がでている

日常生活に支障がでている場合も売却を検討しましょう。

例えば、二階建ての一戸建てに居住しているものの高齢で階段を登れなくなった、トイレやお風呂場の寒さが厳しく体への負担が大きくなったなどです。

また、自宅の環境や庭の美観を維持するためには定期的な手入れが必要ですが、高齢者にとっては年々難しくなるのが実情です。

生活しにくい環境は、思わぬケガや健康にも影響を及ぼします。住みにくいと感じたら売却を検討するのもひとつの手段です。

3-3.身近に頼れる人がいない

そばに頼れる人がいない場合も、売却を検討しましょう。いざというとき頼りにする人がいないと、不測の事態の時に助けてもらうことができません。

例えば、配偶者が亡くなり一人暮らしとなった場合です。身体が元気な状態であればよいのですが、年を重ねるごとに不調を感じる機会は増えるため、ひとりで戸建てを管理することが難しくなる可能性があります。

不測の事態に対応ができない場合は、売却を検討した方がよいでしょう。

4.家を売る以外の選択肢

家を売る以外の選択肢 イメージ

本章では、家を売る選択以外に考えられる方法(今の家に住み続ける方法)として、3点をご紹介します。

  • リフォームする
  • リバースモーゲージを利用して老後の資金確保をする
  • リースバックを利用して住み続ける

住みなれた家を売りたくない、もしくは住宅ローンが残っていて売却が難しい場合は、以下の選択を考えてみましょう。

4-1.リフォームする

今の家をリフォームすることで、売却せずに快適な住居に住むことができます。

例えば、お風呂やトイレのバリアフリー化、二階・三階建て住居にエレベーターをつける、もしくは生活拠点を一階のみにするなどです。

費用はかかりますが今の家に住み続けられるので、住み替えと比べると精神的・身体的な負担は少なくなるでしょう。

4-2.リバースモーゲージを利用して老後の資金確保する

老後の資金を確保して今の家に住み続ける方法として、リバースモーゲージがあります。

リバースモーゲージとは、今住んでいる家を担保に資金調達する方法です。

リバースモーゲージの例

主に老後の生活資金確保や住宅ローンの残債に充てられるメリットがあります(※リバースモーゲージを提供する自治体や金融機関などにより資金使途が限られるケースがあります)。

また、リバースモーゲージは利息のみの支払いとなるため、返済負担が少なく年金収入のみの世帯でも返済しやすいというメリットもあります。

元金の返済は、利用者が亡くなると自宅を売却した利益で一括返済します。

リバースモーゲージの利用がおすすめなのは、以下に該当する方です。

  • 老後の資金に不安がある人
  • 相続人がいない人
  • 子世帯に不動産を残すことで迷惑をかけたくないと思っている人

なお、リバースモーゲージはリスクもあります。そのリスクとは、契約満期を超えて長生きする「長生きリスク」や、金利が上昇して毎月の返済が厳しくなる「金利上昇リスク」担保物件の価値が市場の動向により急激に落ち売却時に元本の支払いが難しくなる「元本割れリスク」です。

特に、元本割れの場合は、相続人に不足分の一括返済請求がいくため利用時には子世帯との相談が必要です(一部金融機関では元本割れしても相続人への一括返済がない商品もあります)。

4-3.リースバックを利用して住み続ける

リースバックを利用すれば、家に住み続けることができます。

リースバックとは、自宅を不動産会社などに売却した後、売却先と新たに賃貸借契約を結びそのまま住み続ける方法です。

リースバックの仕組み

リバースモーゲージとの違いは、リースバックは売却により所有権を手放していることです。(リバースモーゲージは自宅を担保に資金を借りています)

リースバックのメリットは、以下のとおりになります。

  • 自宅の売却により現金を得られる
  • 固定資産税などの維持費の負担がなくなる
  • 売却した後も引っ越す必要がなく、これまでと同様に住みなれた家に居住できる

リースバックで売却する前に、どの程度の資金が今後必要であるかを把握しておかなければなりません。その理由は売却金額によって賃料が変わるためです。

売却先の不動産会社は、不動産投資として物件を購入しているため、利回りを考慮し売却額と賃料を決めています。

リースバックでの売却資金が高いほどその後の賃料は高くなり、反対に売却資金が低ければ賃料も低くなります。

リースバックのデメリットは、以下のとおりです。

  • 定期借家契約を提示する不動産会社が多いので永住はできない
  • 所有権を手放しているため、家の中のDIYなどは気軽にできなくなる

よって、リースバック利用には慎重な判断が必要です。

ちなみに現在一部不動産会社では、一部で普通借家契約を提示するところもあります。

普通借家契約は、借主に契約更新の意思があれば半永久的に住み続けることができる契約となります。リースバックは不動産会社ごとの商品の違いや売却額と賃料の違いなどを比較し、選んでいくことが必要です。

リースバックでも売却でも、まずは不動産会社に査定依頼をして、家の資産価値を確認することが大切です。

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この記事のポイント

高齢者が家を売るメリットとは?

高齢になって家を手放すか悩む方は少なくありません。しかし高齢者が家を売ると以下のメリットがあります。

  • 生活しやすい家に住み替えできる
  • 老後の生活資金を確保できる
  • 相続の話で揉めるリスクを避けられる

詳しくは、「1.高齢者が家を売るメリット」をご確認ください。

高齢者が家を売却したほうが良いケースとは?

高齢者が家を売却したほうが良いケースとは、以下のとおりです。

  • 老人ホームへの入所を決めている
  • 日常生活に支障がでている
  • 身近に頼れる人がいない

詳しくは、「3.高齢者が家を売却した方がよいケース」をご確認ください。

家を売る以外の選択肢とは何か?

家を売る以外の選択肢は、以下のとおりです。

  • リフォームする
  • リバースモーゲージを利用して老後の資金確保する
  • リースバックを利用して引き続き住み続ける

詳しくは、「4.家を売る以外の選択肢」をご確認ください。