転職タイミングは住宅ローン審査に関係あり!融資実行後の転職がおすすめ

転職タイミングは住宅ローン審査に関係あり!融資実行後の転職がおすすめ

マイホーム購入のため住宅ローンを検討する際、転職活動が住宅ローンの審査に影響を与えるのか気になっている方は多いでしょう。
実際、勤続年数は住宅ローンの審査で重要な項目ですので、転職は場合によって審査を不利にします。

この記事では、住宅ローンの審査と転職の関係、転職のタイミング、返済中に転職する際のポイントなどを解説します。

この記事を読むとわかること

  • 住宅ローンを組むタイミング
  • 転職のタイミング
  • 住宅ローンの返済中に転職する注意点

これを読めば、審査や転職を有利に進められるでしょう。

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1.転職すると住宅ローンが通りにくくなる

転職直後は住宅ローン審査が通りにくい
転職直後の住宅ローン審査は通りにくくなります。
これは、金融機関が申請者の信用を推し量るために勤続年数を重視しているためです。

具体的に、どれくらいの勤続年数が必要かを示す指標は公開されておらず、金融機関ごとに基準は異なります。

中には勤続年数をあまり重視しない金融機関もありますが、『国土交通省:令和3年度民間住宅ローンの実態に関する調査結果報告書」によると、94.5%の金融機関が融資を行う際に勤続年数を考慮する項目として使用していることがわかりました。勤続年数の長さは安定した収入の確保につながるため、回収不能になるリスクを軽減できると考えている企業が多いことが理由として挙げられます。

同調査では、勤続年数の審査項目の具体的な内容として、1,035の金融機関が以下の様に回答しました。

勤続年数 回答数
3年以上 189
2年以上 58
1年以上 629
その他 195

参照:国土交通省:令和3年度民間住宅ローンの実態に関する調査報告結果報告書

1年以上と回答している割合が非常に多いため、転職後1年をおいてから住宅ローン審査に望むのが妥当と言えます。

2.最適な転職タイミング住宅ローン融資後

住宅ローン審査から見る最適な転職タイミング
転職のタイミングは大きく分けて、住宅ローン審査前か審査中、融資後の3通です。
この中で、審査への影響が少なく審査に通りやすいのは融資実行後の転職です。

それぞれの転職のタイミングにおける審査への影響を詳しく見ていきましょう。

2-1.審査前の転職は「審査に通りにくい」

住宅ローンを提供している金融機関の多くは、審査の際に申込者の勤続年数を融資可否の判断材料としていることが国土交通省の公表している「令和3年度民間住宅ローンの実態に関する調査結果報告書」からわかりました。

住宅ローン審査の項目や基準は金融機関ごとに異なるうえ、勤続年数以外の項目も併せて判断するため、明確にどれだけ働けば審査に有利かは答えられません。

少なくとも勤続年数1年以内は最も不利になりやすく、転職直後も同様に審査が通りにくいといえます。

2-2.審査中の転職は「融資承認取り消しの可能性大」

融資審査の開始後に転職すれば、転職前の情報に基づいて審査が行われるため、審査に影響が出ないと考えた方も多いと思います。
しかし、審査は申込者の現状に基づいて行わなくてはならないため、審査中に転職した場合は審査をやり直す必要があります。

仮に、転職前の情報に基づいて審査が進められており、申込者の転職に気づかないまま融資承認がおりたケースでは、金融機関が審査中に転職を行っていたことを知った時点で融資承認が取り消される可能性が高いです。

「審査中に転職してもバレない」と考える方もいますが、転職した場合は保険証が変わるため、提示のタイミングで必ず確認されます。
また、月をまたいだタイミングなどで勤務先へ在籍確認の電話がされる場合もあります。

再審査に時間がかかると、売主に迷惑がかかるほか、違約金が請求される場合があるので審査中の転職はやめておきましょう。

2-3.融資後の転職が「一番安全」

審査に通り、融資を受けた後が最も転職に適したタイミングです。
すでに申込時の勤務状況に基づいた審査が完了しているため、転職をしても基本的に影響を受けません。

ただし、審査に通ってすぐの転職は危険です。
融資実行前に勤務先への在籍確認などをされる場合があるためです。
安全に転職をするならば、融資実行後に行いましょう。

【融資実行までの流れ】

  1. 仮審査
  2. 本審査
  3. 契約
  4. 融資実行

転職することは事前に相談すべき?

「住宅ローンを融資してもらってから転職するなら、そのことを事前に相談しておくべきでは?」と考えられる方は少なくないでしょう。
結論として、融資後の転職であれば事前に金融機関に相談する必要はありません。
住宅ローン融資後でも、遅かれ早かれ転職する方は多くいます。
例えば、収入合算で住宅ローン融資を受けた夫婦のうち、パートの妻が引っ越しと同時に転職するという事例はよくあります。

融資後の転職はあくまでも、当人の自由意志であり、特段許可をとる必要もありません。
ただし、転職により収入が減り、住宅ローンの返済が困難になるような自体は避けましょう。

3.住宅ローン返済中に転職する際の手続き

住宅ローンが融資された後(住宅ローンの返済中)に転職をする際の手続きについて確認していきましょう。

  1. 金融機関に連絡
  2. 収入が大きく減った場合はリスケ相談
  3. 住宅ローン控除の手続き

転職を行った際は、金融機関に必ず連絡をしましょう。
勤務先はもちろん、年収にも変化があるため、書類の提出が必要になります。

転職により収入が大きく減った場合は、返済計画のリスケジュールについて相談しましょう。
基本的には、転職をしても返済スケジュールは変わりませんので、明らかに支払いが困難になりそうな場合は早期の相談が大切です。

住宅ローン控除を受けている方は、年末に勤めている会社で手続きを行う必要があります。
転職先には、源泉徴収表を提出した上で年末調整を行いましょう。

4.住宅ローンの返済中に転職する際の注意点

住宅ローンの返済中に転職する際のポイント
住宅ローンの審査が完了して融資が実行された後であれば、転職しても金融機関に報告する必要はないのでしょうか?最後に住宅ローンの返済中に転職する際のポイントを詳しく見ていきましょう。

  • 金融機関への報告が必要
  • 住宅ローン控除の手続きを忘れずに
  • 気づきづらいローンの負担変化をチェック

4-1.金融機関への報告が必要

住宅ローンを契約する際は、申込者の名前や住所、勤務先などを記載します。住宅ローンの契約書の約款には、届出事項に変更があった場合には所定の手続きや届出が必要と明記されているのが一般的です。

約款に記載されているにもかかわらず、金融機関への報告をしなかった場合には、契約違反を理由に住宅ローンの一括返済を求められる可能性もあるため注意しましょう。

また、転職によって収入が減少し、返済が困難になる可能性もあります。
返済が難しい場合は、金融機関に相談の上、返済計画を見直しましょう。

金融機関が転職の届け出を理由に融資を取り下げることはないので、その点は安心ください。

4-2.住宅ローン控除の手続きを忘れずに

住宅ローン控除の対象の方が、1年の途中で転職した場合は、確定申告が必要です。

確定申告とは、昨年の1月1日から12月31日の1年間の所得と所得税を計算し申告する手続きです。
計算する1年間の翌年、2月16日から3月15日の間に行います。

住宅ローン控除の確定申告には、以下のような書類が必要です。

  • 確定申告書
  • 源泉徴収票
  • マイナンバーが記載されている書類の写し
  • 住宅借入金等特別控除額の計算明細書
  • 住宅取得資金に係る借入金の年末残高等証明書
  • 建物・土地の登記事項証明書
  • 建物・土地の売買契約書や請負契約書の写し

また、住宅ローン控除の手続には、住宅ローン残高を正しく確認しておく必要があります。

4-3.気づきづらいローンの負担変化をチェック

余裕を持った返済計画を立てたつもりでも、収入の変化によっては返済が難しくなる場合もあります。
以下はよくある収入減少の例です。

  • 会社の業績悪化によって手当やボーナスが削減された
  • コロナによる休業や時短営業で収入が減少した
  • 転職によって年収が減少した

会社の業績悪化による収入減は、簡単に避けることができるものではありません。
そのため、万が一の事態を想定して余裕を持った返済計画を立てるほか、返済資金を確保しておくことが大切です。

また、転職が必ずしも以前の勤務先と比べて雇用条件が良くなるとは限りません。
ただし、会社の業績悪化とは異なり、転職によって年収が減少するのはあらかじめわかっていることです。
どのくらい減少するのか、減少が一時的なものかなどを把握しておくことが大切です。

返済が厳しくなった場合は、金融機関に相談しましょう。
返済期間の延長や元金据え置き期間を認めてもらえる可能性があるためです。

住宅ローン支払い中の家売却を考えている方は『ローン中の家を売る方法』をご覧ください。

この記事のポイント

転職直後は住宅ローン審査が通りにくい?

住宅ローンの審査では勤続年数を重視することが多いため、転職直後は審査が通りにくいといえます。勤続年数1年以内は、特に審査で不利になりやすいので、申込時期に注意しましょう。

詳細は「1.転職直後は住宅ローン審査が通りにくい」をご覧ください。

住宅ローン審査から見る最適な転職タイミングは?

審査が完了し、融資が実行された後がおすすめです。審査中の転職では、融資承認が取り消される可能性もありますが、融資実行でしたら問題ありません。

詳細は「2.住宅ローン審査から見る最適な転職タイミング」をご覧ください。

住宅ローン返済中に転職する際の手続きは?

住宅ローン返済中に転職する際は、まず金融機関へ連絡をし、現況を正しく報告する手続きを行いましょう。住宅ローン控除を受けている方は、転職先で年末調整が必要になります。

詳細は「3.住宅ローン返済中に転職する際の手続き」をご覧ください。

住宅ローンの返済中に転職する際のポイントは?

住宅ローン返済中に転職する際は、以下3つのポイントに注意しましょう。

  • 金融機関への報告が必要
  • 住宅ローン控除の手続きを忘れずに
  • 気づきづらいローンの負担変化をチェック

詳細は「4.住宅ローンの返済中に転職する際のポイント」をご覧ください。