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家査定の注意点とは?事前に知っておくべきポイント・リスク回避のコツを徹底解説

最終更新日:2025.07.10

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家査定の注意点とは?事前に知っておくべきポイント・リスク回避のコツを徹底解説

家の売却を検討する際、まず行うのが不動産会社による「査定」です。

しかし、査定の前後には多くの落とし穴や見落としやすいポイントが存在し、準備不足のまま進めてしまうと査定額が不利になったり、売却活動に支障をきたすリスクもあります。

本記事では、家の査定に関して特に注意すべきポイントを、査定前の準備から依頼時・結果の見方・売却までの流れに分けて詳しく解説します。

家の査定前の注意点

不動産会社に査定を依頼する前には、一定の準備をしておくことで査定額やその後の売却活動に大きな差が出ます。

特にローン残債や相場、書類の整理といった基本的な情報を把握しておくことは、冷静な判断にもつながります。

また、物件の状態やメンテナンス履歴といった内部情報も、査定担当者に正確に伝えるべき要素です。

ここでは、査定前に準備しておくべき具体的な項目とその注意点について解説します。

査定前の注意点1】住宅ローン残高と抵当権の確認をする

査定を依頼する前に現在の住宅ローンの残高を必ず確認しておくことが重要です。

なぜなら、売却価格がローン残高を下回るオーバーローンの状態であると抵当権を抹消できず、売却自体がスムーズに進まない可能性があるからです。

具体的には、金融機関から「残高証明書」や「返済予定表」を取り寄せ、残債の正確な金額を把握します。

さらに、登記簿謄本を取得し、自宅に抵当権が設定されているかどうかも確認しておきましょう。

抵当権が設定されたままでは所有権の移転ができないため、売却時には完済と同時に抹消手続きが必要になります。

査定前の注意点2】売却相場の事前調査をする

不動産会社に査定を依頼する前に周辺エリアの売却相場を把握しておくことで、査定額の妥当性を見極めやすくなります。

相場を知らないまま査定を受けると高すぎる提示額に惑わされたり、逆に過小評価された査定を鵜呑みにしてしまうリスクがあります。

相場調査にはレインズマーケットインフォメーションや不動産ポータルサイト(SUUMO、アットホームなど)で近隣の類似物件の成約価格や掲載価格を確認する方法が有効です。

築年数、間取り、立地などが近い物件を複数比較することで、おおよその目安が見えてきます。

また、売却時期や市況の変動によっても価格は左右されるため、最新の情報に基づいて判断することが大切です。

査定前の注意点3】必要書類の準備をする

査定を受ける段階では必ずしもすべての書類が揃っている必要はありませんが、主要な書類を事前に準備しておくことで査定の精度が上がり、売却活動もスムーズに進みます。

特に物件の権利関係や状態を客観的に示す書類は重要です。

査定前に用意しておくとよい主な書類は以下のとおりです。

  • 登記簿謄本(全部事項証明書)
  • 土地測量図・建物図面
  • 購入時の売買契約書・重要事項説明書
  • 固定資産税納税通知書
  • 住宅ローン返済予定表または残高証明書

これらの情報は建物や土地の面積、構造、権利関係、税負担、ローン状況など、査定額に影響する重要な判断材料となります。

不足している書類があれば、市区町村役所や法務局、金融機関などで早めに取り寄せておくことが望ましいです。

査定前の注意点4】物件の状態と修繕履歴の整理をする

不動産査定では物件の築年数だけでなく、室内外の状態や過去の修繕・リフォーム履歴も重要な評価要素となります。

見た目や機能性に問題がある場合、査定額にマイナスの影響が出ることがあるため事前に状況を整理しておくことが求められます。

特に屋根や外壁の塗装、水回り設備の交換、白アリ対策など、修繕履歴がある場合には工事の内容や時期が分かる書類(見積書・領収書・保証書など)を準備しておくと、査定時にプラス材料として評価されやすくなります。

一方で、不具合や故障がある部分は隠さずに正直に伝えることが大切です。

後のトラブルを防ぐだけでなく、適切な売却戦略を立てるうえでも正確な情報提供が不可欠です。

家の査定依頼時の注意点

不動産会社に査定を依頼する際は、単に金額を出してもらうだけでなく、対応姿勢や説明の明確さなども含めて慎重に判断する必要があります。査定額はあくまで「予想価格」であり、必ずしもその金額で売却できるとは限りません。

また、不動産会社によって提示される査定額に差が出ることも珍しくありません。特に注意したいのは、根拠の乏しい高額査定を提示し、媒介契約の獲得を狙うケースです。安易に高額査定に飛びつくと、売れ残りや価格の下方修正を招くおそれもあります。

査定依頼時には、価格だけでなく対応の丁寧さや説明内容のわかりやすさ、エリアや物件タイプへの理解度など、総合的に信頼できる業者かどうかを見極める姿勢が大切です。

査定依頼時の注意点1】複数の不動産会社へ依頼する

不動産の適正な査定価格を把握するには複数の会社に査定を依頼するのが基本です。

1社だけでは査定額が高いのか低いのか判断できず、相場観も掴みにくくなります。

複数社に査定を依頼すれば各社の査定根拠や対応の違いも比較でき、自分に合った信頼できる会社を選びやすくなります。

また、価格差が大きい場合には、その理由を確認することで物件の評価ポイントや課題が明確になることもあります。

ただし、同じ情報を何度も各社に伝えるのは手間がかかるため、一括査定サイトを利用することで効率的に比較検討が可能です。

査定依頼時の注意点2】根拠のない高額査定は注意する

査定額が高いという理由だけで不動産会社を選ぶのは危険です。

中には契約を獲得する目的で実際には売れない水準の高額査定を提示する会社も存在します。

このような査定に基づいて売却活動を始めても、売れ残るリスクが高まり、最終的に価格を下げざるを得ないケースが多く見られます。

適正な査定額は、過去の取引事例や現在の市場動向、物件の個別条件(立地・築年数・管理状況など)を踏まえて算出されます。

根拠の説明が曖昧だったり詳細な査定資料を提示しない場合は、安易に信頼せず再検討が必要です。

査定依頼時の注意点3】囲い込みなどの不適切な取引慣行に注意する

不動産業界では売主と買主の両方から仲介手数料を得る「両手仲介」を狙い、他社からの購入申し込みを意図的に断る「囲い込み」が行われるケースがあります。

このような行為は売主にとって不利な結果を招く可能性が高く、注意が必要です。

囲い込みが行われると購入希望者の目に触れる機会が減少し、売却の機会損失や価格の引き下げにつながることがあります。

特にレインズ(指定流通機構)への物件情報登録が遅れたり非公開にされたりする場合は、囲い込みのリスクを疑うべきです。

不動産会社を選ぶ際は専任媒介契約でも物件を積極的に広く公開し、他社とも連携を取る姿勢があるかを確認することが重要です。

査定依頼時の注意点4】価格交渉や内覧対応のシミュレーションをしておく

不動産売却では購入希望者からの価格交渉が避けられないケースが多く、売主にとって精神的な負担となることがあります。

「値下げの打診」「指摘事項に基づく条件変更」など、柔軟な対応を求められる場面も少なくありません。

また、売却期間中は内覧対応も必要になります。

日程調整や掃除、在宅の手間などが重なり、生活に支障をきたすこともあります。

特に居住中の物件の場合は、プライバシーの確保が難しくなる点にも留意が必要です。

家の査定で注意すべき業者の見極め方

不動産の査定を依頼する際は、業者選びが結果に大きな影響を及ぼします。

特に売却を前提とした査定では誠実で信頼性の高い不動産会社を選ぶことが重要です。

信頼できる不動産会社であれば、査定額の根拠として過去の成約事例や周辺相場、物件の特性などを丁寧に説明するのが一般的です。また、どのような販売戦略を取るかについても具体的に示されるはずです。

こうした説明が不十分な業者は、実務力や誠実さに欠けている可能性があります。単に高い金額を提示するだけでなく、その理由や販売方針が論理的かつ納得できるかを確認することが重要です。

家の査定で損をしないためのポイント

家の査定では、ちょっとした準備や対応の違いが査定結果に大きく影響します。査定額を適正に保ち、売却時の損失を防ぐには、事前の対策が重要です。

特に、室内の清掃や修繕、必要書類の整理、査定依頼先の比較など、いくつかの実務的なポイントを押さえることで、評価額を下げずに済む可能性が高まります

以下では、査定時に意識すべき具体的な対策を紹介します。

ポイント1】室内の整理整頓と掃除の影響を知っておく

家の査定では、建物の構造や立地といった客観的な要素が重視されますが、第一印象も査定結果に影響を与える可能性があります。

室内が散らかっていたり、汚れが目立ったりする場合、査定担当者に「メンテナンスが行き届いていない物件」という印象を与えることがあります。

特に水回り(キッチン、浴室、トイレ)や窓、床などは汚れやすく、マイナス査定の原因になりやすいため、査定前に重点的な清掃が必要です。

内覧ではなく査定であっても、室内の清潔感が良い印象につながり、結果としてプラス査定につながることもあります。整理整頓に加えて、換気や照明の工夫などで空間を明るく見せることも有効です。

ポイント2】過度な修繕・リフォームで損をしない

家を査定に出す際、「事前にリフォームや修繕をしたほうがよいか」と悩むケースがあります。ただし、原則として査定前に大掛かりなリフォームを行う必要はありません。というのも、リフォームにかけた費用がそのまま査定額に反映されるとは限らず、コストに見合わないことが多いためです。

一方で、雨漏りや設備の故障、壁や床の著しい劣化など、放置すれば明らかにマイナス評価につながる部分については、簡易な修繕を検討する価値があります。最低限の修復によって、建物の管理状況が良好であると印象付けることができます。

査定前の修繕・リフォームは、費用対効果を見極めた上で、必要最小限にとどめることが賢明です。

ポイント3】必要書類の準備と確認を事前にしておく

家の査定をスムーズに進めるためには、事前に必要書類を揃えておくことが重要です。

査定の段階では必須ではない場合もありますが、以下のような書類を提示できれば、より正確な査定結果につながります

  • 登記簿謄本(全部事項証明書)
  • 建築確認済証や検査済証
  • 固定資産税納税通知書
  • 購入時の売買契約書や重要事項説明書
  • 間取り図や測量図、地積測量図

これらの書類により、土地や建物の権利関係・構造・面積・法令上の制限などが明確になり、査定の精度が高まります。

特に再建築不可や借地権付き物件など、条件が複雑な不動産では資料の有無が査定に大きく影響します。

ポイント4】査定価格と売却価格の違いを知っておく

査定価格とは、不動産会社が算出する「このくらいの価格で売れるだろう」という目安の金額であり、実際にその金額で売れるとは限りません。

市場動向や類似物件の取引事例、立地条件などをもとに算出されるものです。

一方で売却価格は、売主が売り出し時に設定する希望価格または実際に成約した価格を指します。

査定価格を参考にしつつ、売主の希望や売却の緊急度、競合物件との兼ね合いによって設定されます。

たとえば、査定価格が3,000万円でも、売主が3,300万円で売り出すケースもありますし、成約価格は買主との交渉を経て2,900万円になることもあります。

査定価格はあくまで目安であり、必ずしもその価格で売れるとは限らない点に注意が必要です。

家売却時は査定以外にも注意が必要

家の査定を依頼する際は提示された査定額に一喜一憂するのではなく、その根拠や査定方法、対応姿勢なども含めて総合的に判断することが重要です。

不動産会社によっては媒介契約を取る目的で相場より高めの金額を提示することもあり、結果的に売却が長期化するリスクもあります。

また、物件情報や内見時の対応、売主とのコミュニケーションもスムーズに進められる会社でなければ売却活動そのものに支障をきたす可能性があります。

複数社に査定を依頼して比較しながら、信頼できる担当者を見極めることが、納得のいく売却につながります。

価格の高さだけでなく、「どこまで信頼して任せられるか」という視点を持つことが大切です。

この記事の編集者

IELICO編集部

家を利口に売るための情報サイト「IELICO(イエリコ)」編集部です。家を賢く売りたい方に向けて、不動産売却の流れ、税金・費用などの情報をわかりやすくお伝えします。掲載記事は不動産鑑定士・宅地建物取引士などの不動産専門家による執筆、監修を行っています。

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