土地の売却を検討している方の中には、土地の価値がどのくらいなのかわからず悩んでいる方も多いと思います。
適切な土地の価値がわからないまま売却すると、相場より安い価格で売って損をする恐れもあるので注意が必要です。
この記事では、土地の価値の調べ方をわかりやすくお伝えします。
これを読めば、土地の売却で損をするリスクを回避できるでしょう。
目次
1.土地の価値を決める5つの条件

まずは、どのような条件が土地の価値に影響するのかを把握しておきましょう。
土地の価値は、以下の5つの条件によって変化します。
- 立地条件
- 土地の広さや形
- 地質と地盤の強さ
- 土地に接している道路
- 社会情勢や景気
ひとつずつ見ていきましょう。
1-1.立地条件
利便性や安全性が高い土地ほど価値が高くなります。
都心であるほど価値が高く、郊外であるほど低いのはそのためです。
また、沿岸部や川沿いなどの災害のリスクが高い土地は価値が低くなる傾向にあります。
他にも立地条件によって以下のように価値が変化します。
価値が高い | 価値が低い |
---|---|
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立地条件の良い土地はニーズが高いので、その分だけ価値が高くなります。
用途地域や都市計画によっても土地の価値が変化します。
用途地域とは、計画的な市街地を形成するために、用途に応じて13の地域に分けられたエリアのことです。
エリアごとに建築できる建物の種類や大きさなどが制限されているため、どの用途地域に該当するかによっても価値が変化します。
都市計画とは、都市の将来あるべき姿を想定して、必要な規制や誘導、整備などを行い、適正に発展させることです。
開発が進む地域のニーズは高いですが、該当しない地域はニーズが低く、それに伴い価値も低くなります。
1-2.土地の広さや形
利便性の高い土地ほど、価値が高いです。
たとえば、土地が広い、形状が正方形もしくは正方形に近い長方形といった整形地だと、土地の使い勝手が良くなるので価値が高いです。
他にも広さや形によって以下のように価値が変化します。
価値が高い | 価値が低い |
---|---|
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広い土地は一般的に価値が高いですが、広すぎると坪単価が下がるケースもあります。
1-3. 地質と地盤の強さ
安全性の高い土地ほど、価値が高いです。
例えば、水はけの悪い地質、軟弱な地盤の場合、自然災害のリスクが高く、価値は低くなるのが一般的です。
土壌汚染されている場合や、埋蔵文化財や地下埋設物がある場合も価値は低くなります。
土壌や地中の問題は見た目でわからないので、専門業者による調査が必要です。
1-4. 土地に接している道路
土地に接している道路の広さによって価値に差が生じます。
その理由は、道路の広さによって建築できる建物の大きさに差が生じるためです。
そのため、前面道路の広さが狭いと価値が低くなるのが一般的です。
土地に接している道路の幅だけでなく、道路とどれだけ接しているかという間口の大きさも価値に影響します。
間口が広い土地は使い勝手が良く、価値が高くなります。
また、道路と複数の面で接している角地は視認性が高く、日照や通風に優れているので価値が高いです。
1-5.社会情勢や景気
地価は土地の安全性や利便性とは別に社会情勢や景気の影響を受けて変化します。
国内の経済が安定していれば地価が上がりやすく、不安定であれば下がってしまうでしょう。
他にも、社会情勢や景気によって以下のように価値が変化します。
価値が高い | 価値が低い |
---|---|
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このように複数の条件が複雑に絡み合って土地の価格が変化しています。
2.土地の価値を調べる方法

土地の価値は、指標を用いて調べると簡単に割り出せます。
土地の価値を調べるための主な指標は以下の5つです。
【土地を価値を知るための5つの指標】
- 実勢価格:過去に取引された価格
- 公示価格:国土交通省が定める1平米の価格(地価)
- 基準地価:各都道府県が定める1平米の価格(地価)
- 路線価:相続税や贈与税に使われる価格
- 固定資産税評価:固定資産税の計算に使われる価格
上記の指標は、目的に応じて以下のように使い分けましょう。
- 土地を売るとき:「実勢価格」と「公示価格(または基準価格)」
- 土地を相続するとき:「路線価格」
- 税金がいくらか知りたいとき:「固定資産税評価額」
では、どのように調べるのか詳しく見ていきましょう。
2-1.【土地を売るとき】実勢価格で土地の価値を調べる
実勢価格とは、過去に実際に取引された土地の価格です。
土地を売る際にいくらで売れる見込みがあるのか知るためには、まず実勢価格を調べましょう。
実際の取引価格なので信憑性が高く、最も簡単に土地の価値を調べられます。
実勢価格は以下の手順で調べます。
- 土地総合情報システムにアクセスする
- 不動産取引価格情報検索を選択する
- 時期や種類、地域などを選択して条件を絞り込む
- 地図を参考にしながら実勢価格を調べたい場所を選択する
ただし、過去に取引がない土地の価値を知ることはできない点と、現在の価値と誤差が生じる可能性もある点には注意が必要です。
より現在の価値との誤差が少ない数値を知りたい場合は、このあとに紹介する「公示価格」や「基準地価」を参考にしましょう。
2-2.【土地を売るとき】公示価格・基準地価で土地の価値を調べる
公示価格とは、国土交通省が毎年発表している土地の1平米の価格です。
毎年1月1日時点の平米あたりの価格を不動産鑑定士2人以上で鑑定して算出しています。
すべての土地が対象ではなく、全国23,000か所の標準地のみが対象という点に注意してください。
一方、基準地価とは各都道府県が毎年発表している土地の1平米の価格です。
公示価格と基準地価の大きな違いは、調査の基準日です。
公示価格は毎年1月1日、基準地価は7月1日が基準日となります。
公示価格が発表されるのは3月中旬頃で、基準地価が発表されるのは9月下旬頃です。
そのため、土地を売る時期によってどちらの価格を参考にするかを変える必要があります。
公示価格と基準地価を調べる方法は以下の通りです。
- 標準地・基準地検索システムにアクセスする
- ページ上の都道府県を選択する
- 公示価格を調べたい市区町村を選択する
- 検索条件を指定する
- 検索ボタンを押す
表示された地域の地価が確認できます。
地価の調べ方は以下の記事で詳しく紹介しています。
2-3.【土地を相続するとき】路線価で土地の価値を調べる
路線価とは、国土交通省が毎年発表している土地の1平米の価格です。
相続税や贈与税に使われる価格でもあるので相続税路線価とも呼ばれています。
そのため、路線価は土地を相続したときに、相続税を計算するために用います。
路線価を調べる手順は以下の通りです。
- 路線価図・評価倍率表にアクセスする
- 路線価を調べたい都道府県を選択する
- 路線価図を選択する
- 市区町村リストから路線価を調べたい市区町村を選択する
- 調べたい場所の路線価を確認する
計算方法は以下の通りです。
路線価×土地面積(㎡)÷0.8×1.1
路線価について詳しく知りたい場合は、以下の記事をご覧ください。
2-4.【税金がいくらか知りたいとき】固定資産税評価で土地の価値を調べる
固定資産税評価額とは、3年に1回の頻度で見直しが行われる固定資産税の計算に使われる価格です。
固定資産税評価額は、固定資産税を算定する基準となります。
ただし見直しが毎年ではないため、急激な価値の変動があった場合は、時価が反映されていない可能性があります。
そのため、見直しがあった場合の固定資産税がいくらか知るためには固定資産税評価額が重要な指標となるのです。
固定資産税評価額を調べる際は、以下のいずれかの方法を選択します。
- 固定資産税の課税明細書の評価額を確認する
- 固定資産税評価額証明書を確認する
- 固定資産課税台帳を閲覧する
土地の所有者の場合、毎年送られてくる課税明細書で確認できます。
課税明細書がない場合は、管轄する自治体の部署に行くか、HPから申請すれば確認できます。
固定資産税評価額÷0.7×1.1
以下の記事では、固定資産税評価額の調べ方をより詳しく紹介しています。
3.土地売却に最適な不動産会社を見つけるなら一括査定がおすすめ

土地の売却を有利に進めるには、不動産会社のサポートが不可欠です。
しかし、信頼できる不動産会社をみつけるのは容易ではありません。
そこでおすすめするのが一括査定です。
一括査定とは、情報を一度入力するだけで複数の不動産会社に一括で査定を依頼できるサービスです。
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イエリコはカンタンな情報を入力するだけで、全国の優良な不動産会社2,100社のなかから、6社を選んでまとめて査定依頼ができます。
査定依頼の際はぜひイエリコをご活用ください。
この記事のポイントまとめ
同じ形、大きさの土地であっても、価値は異なります。
土地の価値は以下のような条件で変化します。
- 立地条件
- 土地の広さや形
- 地質と地盤の強さ
- 土地に接している道路
- 社会情勢や景気
詳しくは「1.土地の価値を決める5つの条件」をご覧ください。
土地の価値は、以下の方法を使うと算出できます。
- 実勢価格:過去に取引された価格
- 公示価格:国土交通省が定める1平米の価格
- 基準地価:各都道府県が定める1平米の価格
- 路線価:相続税や贈与税に使われる価格
- 固定資産税評価:固定資産税の計算に使われる価格
- 不動産鑑定評価額:不動産鑑定士が鑑定した価格
詳しくは「2.土地の価値を調べる方法」をご覧ください。
不動産会社に査定を依頼するときのポイントは、査定価格を比較することです。
そのため、複数の不動産会社に一括で査定を依頼できる「一括査定サービス」を使って査定を申し込むと、適正価格で売り出してくれる不動産会社が見つかるでしょう。
複数社に査定を依頼する際は、NTTデータグループが運営する一括査定サイト「IELICO(イエリコ)」がおすすめです。
詳しくは「3.土地売却に最適な不動産会社を見つけるなら一括査定がおすすめ」をご覧ください。
この記事の編集者

IELICO編集部
家を利口に売るための情報サイト「IELICO(イエリコ)」編集部です。家を賢く売りたい方に向けて、不動産売却の流れ、税金・費用などの情報をわかりやすくお伝えします。掲載記事は不動産鑑定士・宅地建物取引士などの不動産専門家による執筆、監修を行っています。
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