また、相場に近い金額で売却するには、内覧時の対応も重要になります。この記事では、住みながら家を売却するときの注意点を含めて、詳しく解説します。
- 「何から始めたらいいか分からない方」は、まず不動産会社に相談を
- 「不動産一括査定」で複数社に査定依頼し、”最高価格”を見つけましょう
- 「NTTデータグループ運営」のHOME4Uなら、売却に強い不動産会社に出会えます
目次
1.「住みながら売却」と「空き家の状態での売却」はどちらが良いの?

一般的には、空き家の状態のほうが売却しやすいと言われていますが、住みながら物件を売却するほうが良いと言えます。なぜなら、住みながら売却する場合は内覧対応を売り主自身が行うため、物件の魅力を内覧者に直接伝えやすく、相場よりも高値で売却できる可能性があるからです。
購入を希望する方にとっても、物件情報からでは分からない部分を売り主に質問できるため、安心して購入を検討できるでしょう。売り主と買い主の双方が納得した形で家の売却を進められるため、売却後のトラブルが発生することを未然に防げます。
一方、空き家の状態にして売却活動を進める場合、内覧対応を不動産会社の担当者に任せることができます。急な転勤などで早めに住み替えを行わなければならないときは、自宅の売却が完了する前に、新居を購入しているケースもあるでしょう。
そのような場合であれば、売り主自身が対応するよりも、不動産会社に売却活動全体を任せてしまうほうがメリットに感じられる部分もあるはずです。住みながら家を売るか、空き家の状態で売却するほうがいいかは売却目的によって異なりますが、できるだけ高値で売却したいと考えるなら住みながら売却することを検討してみましょう。
2.住みながら家を売却するメリット

住みながら家を売却することで、さまざまなメリットを受けられます。主なメリットとして挙げられる点については次のとおりです。
- 余分なコストを支払わずに済む
- 売却資金を住み替え費用に充てられる
- 内覧時の対応で印象を上げられる
それぞれのメリットについて、さらに詳しく見ていきましょう。
2-1.余分なコストを支払わずに済む
住みながら家を売却するということは、自宅の売却が完了してから新たな住まいに引っ越すということです。そのため、引越しを1回で済ませられるので、余分な費用を支払わずに済みます。
一般的に物件を売却するまでには、4~6ヶ月程度の期間が必になるため、じっくり時間をかけながら引越しの準備を整えることができるでしょう。家の売却で後悔をしないためには、余裕を持ったスケジュールを組むことが重要であり、住みながら家を売却するほうが落ち着いて取り組めるはずです。
2-2.売却資金を住み替え費用に充てられる
住みながら家を売却することを選ぶ場合は、売却資金を住み替え費用に充てることができます。
家を売る前に新居を取得する場合は多くの資金が必要になりますが、自宅を売却してから新居を購入するのであれば、資金面で余裕を持ちやすくなるでしょう。
特に、売却予定の物件に住宅ローンが残っているときには、より綿密な資金計画を立てる必要があります。売却資金が手元に入ってくる目途がつけば、住宅ローンの返済計画が立てやすくなり、新居の住宅ローンも組みやすくなります。
物件の売買を行うときは、売却代金がそのまま手元に残るわけではありません。売却にあたって必要な諸費用がどの程度かかるのかも、不動産会社の担当者にしっかり確認しておきましょう。
2-3.内覧時の対応で印象を上げられる
空き家の状態で売却する場合と異なり、住みながら家を売却することで、内覧者に対する印象を上げられるというメリットがあります。内覧者からすれば、物件情報だけでは分からない部分も情報もできるだけ知りたいと感じるものです。
売り主自身が物件の住み心地や周辺環境の状況などを伝えていけば、内覧者に喜ばれるはずです。内覧時の印象は、物件の購入意思を決定するのに大きな影響を与えるため、売り主自身が対応するほうが望ましいと言えます。
物件の魅力をしっかりと伝えることができれば、相場よりも高い価格で売却できる可能性もあるので、きちんと取り組んでみましょう。
3.住みながら家を売却するデメリット

住みながら家を売却することは、多くのメリットがありますが、一方で気をつけるべきポイントも存在します。注意すべきデメリットとしては、以下の2つです。
- スケジュールの調整が必要
- 室内の整理を行う必要がある
3-1.スケジュールの調整が必要
居住中の物件を売却する際は、内覧を希望する方への対応が売り主としても必要になってきます。そのため、内覧希望者とのスケジュール調整を考えておくことが大事です。
基本的には、内覧希望者の予定に合わせるほうが良い印象を抱いてもらえるでしょう。どうしても調整が難しいときは、不動産会社の担当者に間に入ってもらって、うまく日程を調整してみてください。
ただし、普段仕事などで忙しい方は内覧対応が難しいこともあるでしょう。そのような場合は、住みながら家を売却するほうが良いのかを改めて考えてみる必要があります。
3-2.室内の整理を行う必要がある
内覧日が決まったら、物件に対する印象を少しでも良くするために、室内の整理を行うことが重要です。きちんと掃除を行い、不用品などは処分しておきましょう。
内覧者が確認をしたい場所が散らかったままでは、思うように内覧を進めることができません。室内だけでなく、ベランダなどに物を置いている場合も片付けを行っておきましょう。
また、照明が切れている箇所は電球を交換したり、部屋のニオイが気になる部分は十分な換気を行ったりすることが大切です。内覧者の目線に立って、気になる部分がないかを細かくチェックしてみましょう。
ペットを飼育していた場合は、少し換気を行ったくらいではニオイが消えません。むやみにニオイを消そうとするよりも、ペットが安心して暮らせる物件であることをアピールしたほうが、ペット好きの方には好まれることもあります。
物件の状況に合わせて、どのような売却活動を行うべきかを不動産会社の担当者としっかり話し合っておきましょう。
4.住みながら家を売却するポイント

住みながら家を売却するには、いくつかのポイントを押さえておく必要があります。特に以下の5つの点については、しっかりと把握をしておきましょう。
- 可能な範囲で補修しておく
- 内覧者の都合を優先させる
- 室内の清掃や換気を十分に行う
- 不用品を処分する
- 一括査定サービスを利用する
それぞれのポイントについて、詳しく解説します。
4-1.可能な範囲で補修しておく
内覧に向けた準備として取り組んでおきたい点は、家の損傷部分をチェックして、可能な範囲で補修作業を行っておくことです。大がかりな補修となると外部に依頼を行う必要がありますが、床や柱のキズなど比較的軽微なものであれば、自分で補修を行うことも可能です。
ホームセンターなどで購入できる市販の補修グッズを使って、目に付く箇所はできるだけ補修しておきましょう。ただし、床のキズなどを隠すためにカーペットなどで覆ってしまう必要はありません。
建物に不具合があれば、ありのままの状態を伝えるほうが、誠実な印象を与えられます。また、大がかりな補修が必要な場合は、直すためにどれくらいの費用がかかるのかをあらかじめ調べておくと、内覧者もイメージが湧きやすくなるはずです。
補修にかかる費用は、必要な範囲や損傷の程度によって違ってくるため、複数の会社から見積書をもらって確認しておきましょう。
4-2.内覧者の都合を優先させる
家の売却をスムーズに進めるためには、内覧者の立場に立って物件を見てもらうことが大切です。内覧日の希望を伝えられたときに、こちらの都合ばかりを言ってしまっては、マイナスの印象を与えてしまいます。
あくまで家を購入するかどうかを決めるのは、相手側であるということを忘れずに、丁寧な対応を心がけましょう。どうしてもスケジュールが折り合わないときは、不動産会社の担当者に相談するのも1つの方法です。
4-3.室内の清掃や換気を十分に行う
内覧では売り主自身が内覧者を出迎えることになるため、できるだけ良い雰囲気で内覧を進めていくことが大切です。室内の清掃や換気を念入りに行うことで、物件を大事にしている印象を内覧者に与えることができるでしょう。
雑然とした状態の室内を見せられた場合、嫌な印象を与えてしまうだけでなく、建物自体のメンテナンスが行き届いていないのではないかと不安な気持ちを与える恐れがあります。
ただし、内覧者に対して不快な印象を与えなければ問題ないため、内覧の時点でハウスクリーニングを行う必要はありません。物件の引き渡しのために退去する際にハウスクリーニングを行うかどうかは、売買契約を決めるときに買い主と話し合って決めても大丈夫です。
4-4.不用品を処分する
室内の清掃を行う際に、不用品を処分したほうが清掃自体も捗るでしょう。物件の売却が決まれば、どのみち引越し作業を行わなければならないので、早めに物を片付けておくほうが、引越しのときにラクです。
また、通路を塞ぐように物が置かれていれば、内覧者は物件の状態を細かくチェックすることができません。最初の内覧時にすべての物を片付けておく必要はありませんが、売却に至るまで何度も内覧が行われるので、早めにいらない物を処分しておきましょう。
4-5.一括査定サービスを利用する
住みながらでも家を売却できるので、売却することを決めたら、まずは不動産会社に家の査定を行ってもらいましょう。大まかな売却価格の目安が分かることで、物件を売却した後の資金計画が立てやすくなります。
しかし、家の査定を行うといっても、1社に査定してもらっただけで判断してしまうのは良くありません。不動産会社から提示された査定額が適正なのか判断がつかず、損をする可能性があるからです。
家の査定を行うときは、できるだけ多くの不動産会社に依頼をしてみましょう。複数の会社が提示する査定額を比較することで、適正な相場を把握しやすくなります。
効率良く査定を進めていくには、不動産の一括査定サービスを活用すると便利です。物件情報などを入力すれば、一度に複数の会社へ査定依頼が行えます。
不動産会社から送られてくる査定結果には査定額だけでなく、売却活動に関する提案内容や類似物件の取引事例などが記載されています。自分に合った不動産会社を見つける意味でも、一括査定サービスは役立つはずです。
ここでは、不動産の一括査定サービスであるIELICO(イエリコ)の基本的な特徴を紹介します。
イエリコは、2001年(平成13年)に国内で初めて不動産の一括査定サービスを開始した「不動産売却HOME4U」(ホームフォーユー)のサービスの1つです。20年以上にわたってサービスを提供していきた実績があり、累計で45万件以上の査定依頼の実績があります。
独自の審査基準で厳選した2,100社の優良企業を紹介しており、査定依頼を行うときには最大6社までを選択できます。査定依頼に必要な情報の入力は最短1分で完了でき、初めて利用する方でも簡単に操作することが可能です。
また、イエリコは情報サービス事業で業界最大手のNTTデータグループが運営を行っています。長年にわたって培ってきたセキュリティ技術によって、個人情報の取り扱いなど安心して利用していただける環境を整えています。
そして、自分に合った不動産会社を見つけるために、16,000件以上の経験者の口コミが役立ちます。不動産会社の強みや特徴を把握できるので、気になる不動産会社に査定を依頼することが可能です。
家の売却を考えるときには、イエリコを活用して信頼できる不動産会社を見つけてみましょう。
5.住みながら内覧対応する際の注意点

内覧者への対応は住みながらでも行うことができますが、そもそも住みながら家を売却するほうが向いているのかを考えておく必要があります。なかには、空き家の状態にしてから売却するほうが向いているケースもあるからです。
適切に内覧対応が行えるかの判断は、次の3つの点から考えてみましょう。
- 住みながら売却すべきかを検討する
- 内覧者のスケジュールに合わせられるか
- 室内はきれいに片付けられるか
各注意点について、具体的にどのような点について考えるべきか解説します。
5-1.住みながら売却すべきかを検討する
住み続けながら家を売却することで、売却後の資金計画を立てやすいというメリットがあります。しかし、内覧希望者の対応を売り主自身が行う必要があり、人によっては思うように対応できないケースもあるでしょう。
無理に対応しようとしても、かえってマイナスの印象を与える場合もあるので、家の売却を考える段階でどのようにすべきかを検討しておきましょう。普段の仕事が忙しく、転勤や子どもの進学の都合などで早めに住み替えを行わなければならない方は、空き家の状態にしてから売却を進めるほうが良い場合もあります。
空き家の状態であれば、内覧対応を不動産会社の担当者に任せることができるので、あまり気を遣わなくて済むはずです。
5-2.内覧者のスケジュールに合わせられるか
内覧対応を売り主自身が行う場合、内覧を希望する相手のスケジュールに合わせられるかを考えておく必要があります。例えば、週末に仕事がある方だと、内覧者との日程調整することが難しいと感じる部分もあるでしょう。
家に誰もいない状態だと内覧対応はできないので、内覧希望者が希望する日にきちんと対応できるかを考えておく必要があります。週末にあまり仕事が入らない方や、在宅ワークが多い方であれば、内覧希望者とのスケジュール調整もスムーズに進められるでしょう。
5-3.室内はきれいに片付けられるか
内覧者に良い印象を与えるには、室内をきれいに清掃しておく必要があります。しかし、物が多くて片付けが簡単に済ませられず、内覧者を出迎えることが難しいケースもあるでしょう。
家の売却が決まれば、どのみち引越し作業を進めなければなりませんが、その間に室内の片付けが思うように進められないなら、売却方法を見直す必要も出てきます。物が比較的少ないほうが、住みながら家を売却するのに向いていると言えるでしょう。
6.売却後も住み続けられるリースバックとは

家を売却した後に賃貸物件への入居を考えているなら、「リースバック」についても検討しておくと良いでしょう。リースバックとは、自宅を売却して現金化した後にも、そのまま同じ家に家賃を払って住み続けられる仕組みを指します。
この場合、家の売却先は個人ではなく、金融機関や不動産会社などとなる場合が多いでしょう。所有する家を金融機関や不動産会社に売却した後、改めて賃貸物件として貸し出してもらうことになります。
6-1.リースバックを選ぶメリット
リースバックを選ぶことで得られるメリットとして、次のような点が挙げられます。
- 一時退去を行う必要がない
- 売却資金として、まとまった金額を得られる
- 固定資産税など税金の支払いがなくなる
まず、家を売却して賃貸物件に住み替えるときは、少なくとも1回は引越しを行う必要があります。しかし、リースバックの場合はそのまま同じ家に住み続けることになるため、わざわざ引越しを行う必要がありません。
また、物件を売却することでまとまった資金を得られるため、老後資金として活用するなど自由に用途を決められます。リースバックはすでに住宅ローンを完済しており、手持ちの資金に不安があり、住み慣れた家を離れたくないという方が利用するケースが多いと言えます。
物件の所有権が金融機関や不動産会社などに移るため、固定資産税などの税負担もなくなり、身軽な暮らしを求める方におすすめの方法だと言えるでしょう。しかし、物件の売却後は賃貸借契約を結ぶことになるため、今度は毎月家賃が発生します。
物件を売却したときにまとまった資金が手に入りますが、そのまま家賃を払い続けられるのかをよく検討しましょう。また、リースバックのサービスを提供する会社によっては、いったん手放した自宅を後から再購入することが可能な場合もあります。
6-2.リースバックの利用手順
契約書の内容をよく確認したうえで、後から悔やんでしまわないために仕組みを十分に理解しておきましょう。リースバックを利用する流れはサービスの運営元によって若干の違いはありますが、基本的には以下のような流れとなります。
- 問い合わせ・相談
- 簡易査定
- 面談・現地調査
- 契約・振込
リースバックを申し込むと簡易査定が行われ、家の買取価格と家賃が提示されます。そのまま契約手続きを進める場合は、面談と現地調査が行われます。
建物の状況や立地の確認、周辺環境などのチェックが行われたうえで、正式な買取価格と家賃が改めて提示されます。金額に問題がなければ、売買契約と賃貸借契約を締結します。
契約が済んでから内容や条件を変更するのは難しいため、何か疑問点や不明点があるときは契約前によく確認をしておきましょう。すべての契約手続きが完了した後に、家の売却代金が振り込まれます。
また、賃貸借契約を交わすときに、保証会社と契約を結ぶ必要がある場合もあります。そのときは、保証料が必要にもなってくるので、どの程度の金額がかかるのかを把握しておきましょう。
ローンが残っている場合の家の売却について詳しく知りたい方は、以下の記事も併せてご覧ください。
まとめ
住みながら家を売却する際は、メリット・デメリットをよく踏まえたうえで、慎重に検討する必要があります。また、内覧者に対して丁寧な対応を心がけることで、相場に近い金額で売却活動を進められるでしょう。
そして、売却した後も同じ家に住み続けられるリースバックという仕組みもあるので、さまざまな選択肢を考えながら、自分に合った売却方法を見つけていくことが大事です。
家を売却するときには、不動産会社としっかりコミュニケーションを取っていくことが欠かせません。不動産の一括査定サービスを通じて、信頼できる不動産会社を探してみましょう。
この記事のポイント まとめ
詳しくは「1.「住みながら売却」と「空き家の状態での売却」はどちらが良いの?」をご覧ください。
- 余分なコストを支払わずに済む
- 売却資金を住み替え費用に充てられる
- 内覧時の対応で印象を上げられる
詳しくは「2.住みながら家を売却するメリット」をご覧ください。
- スケジュールの調整が必要
- 室内の整理を行う必要がある
詳しくは「3.住みながら家を売却するデメリット」をご覧ください。
この記事の編集者

IELICO編集部
家を利口に売るための情報サイト「IELICO(イエリコ)」編集部です。家を賢く売りたい方に向けて、不動産売却の流れ、税金・費用などの情報をわかりやすくお伝えします。掲載記事は不動産鑑定士・宅地建物取引士などの不動産専門家による執筆、監修を行っています。
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