家の売却は一生で何度もある事ではありません。そのため「どのくらいの期間で家が売れるのか?」「家が売れなかったらどうしよう」と不安に思う方も多いのではないでしょうか。
家を売るには3〜6カ月程度の期間が必要とされていますが、物件の条件や時期によっては、さらに長引く可能性もあります。
予定している売却を完了するためには、
- 家を売る流れ
- 失敗するケースと対策
- 早く売却するコツ
などのポイントをおさえて、売却活動に取り組むことが大切です。
失敗の具体例や売却のコツをあらかじめ知っていると、「なかなか売れない」といった状況を避けられますし、安心して売却活動を進められるようになります。
- 「何から始めたらいいか分からない方」は、まず不動産会社に相談を
- 「不動産一括査定」で複数社に査定依頼し、”最高価格”を見つけましょう
- 「NTTデータグループ運営」のHOME4Uなら、売却に強い不動産会社に出会えます
目次
家を売るのにかかる期間は平均3カ月~6カ月
家を売るのにかかる期間は、約3〜6カ月とされています。
家の売却をスムーズに進めるためには、売却活動全体の流れや活動内容を把握することから始めましょう。
家の売却期間は、大きく下記3つの活動にわけることができます。
主な活動 | 活動の詳細 | 想定期間 |
---|---|---|
売却準備 | 査定・媒介契約 | 1週間~4週間程度 |
販売活動 | 広告・内覧・売買契約 | 1ヶ月~3ヶ月程度 |
引き渡し | 決済・引き渡し | 約1ヶ月~2ヶ月程度 |
上記のうち、期間が予測しにくいのが販売活動です。
販売活動は買主を探す作業ですので、買主が見つかるまで地道な活動が続きます。買主がすぐに見つかることもあれば、見つかるまで数カ月かかることも珍しくありません。
約3〜6カ月という期間はあくまで目安ですので、活動状況によって期間は変動することをまずは認識しておきましょう。
家を売る時の流れ【全7ステップ】
家を売る流れは、次の7つの工程があります。

それぞれ詳しく解説します。
【ステップ1】相場調査・事前準備
家を売ると決めたら、まず着手すべきことは家の相場調査と事前準備です。
調査方法としては、以下2つの方法を使って過去の売却事例から相場を調べます。
上記2つのサイトは、誰でも無料で利用できるサイトです。サイトにアクセスし売りたい物件に類似する条件を入力すれば、過去の売却事例を閲覧できます。
これら2つのサイトでは住所の番地は伏せられているため、特定の物件名やピンポイントで住所検索する調査はできません。そのため、おおよその相場観を把握する程度になります。
つぎに、相場調査とあわせて、家を売るための必要書類を準備しましょう。
売却活動を始める前に、以下の書類を揃えておくと安心です。
- 売買契約書
- 購入当時のパンフレットや図面集
- 確認済証、検査済証
- 土地測量図、境界確認書(一戸建ての場合)
- 管理規約集、使用細則集(マンションの場合)
- 登記識別情報
また、最終的な売買契約に向けて、下記の書類も必要となります。
- 実印
- 身分証明書(マイナンバーカード・運転免許証・健康保険証など)
- 住民票
- 印鑑証明書
- 固定資産税評価証明書
書類によっては準備に時間がかかるので、用意するタイミングを不動産仲介会社に確認し、余裕を持って準備にとりかかりましょう。
【ステップ2】不動産会社への査定依頼
家を売るためには、不動産会社へ査定依頼をします。
査定には、机上査定と訪問査定があります。
机上査定とは、売却事例比較法を用いて行う査定方法です。売主から提出される物件情報や周辺の売却事例を元に査定額を算出します。
対して訪問査定とは、実際に物件を調査して査定額を算出する方法です。家を売るとなれば訪問査定が必要ですので、売却することを決めている方は不動産会社に訪問査定を依頼しましょう。
なお、査定は複数社に依頼するのがおすすめです。各社の査定額やサービスの違いなどを比較でき、信頼できる担当者を見つけやすくなるからです。
家の売却において、不動産会社選びは売却の成功にも影響しますので、「IELICO(イエリコ)」などの一括査定サイトを利用して、必ず複数社に査定依頼するようにしましょう。
【ステップ3】媒介契約の締結
売却の依頼先が決まれば、不動産会社と媒介契約の締結をします。媒介契約には、下記3種類があります。
一般媒介契約 | 専任媒介契約 | 専属専任媒介契約 | |
---|---|---|---|
複数の不動産会社 との契約 |
〇 | × | × |
売り主が見つけた 相手との取引 |
〇 | 〇 | × |
指定流通機構への 登録義務 |
任意 | 〇 ※媒介契約締結から 7日以内 |
〇 ※媒介契約締結から 5日以内 |
売り主への業務報告 | 任意 | 〇 | 〇 |
媒介契約の有効期間 | 任意 | 最長3カ月 | 最長3カ月 |
おすすめは専任媒介契約です。
家の売却において最も重要なのは売却活動になります。中でも要は「集客」です。不動産会社の実力や熱量がなければ内見者を多く集めることはできません。
その点、専任媒介であればレインズへの登録が義務づけられているので、売り出し情報を広く周知することができます。
また1社しか不動産会社と契約できないので、担当者が積極的に販売活動に取り組んでくれる可能性が高まります。手厚いサービスを期待できる専任媒介を選ぶことをおすすめします。
【ステップ4】広告・販売活動
媒介契約を締結したら、次は広告・販売活動を行います。
広告活動は不動産会社が行います。物件の売り出し情報を広く告知し、資料請求者や内見予約を獲得していきます。
販売活動で売主が対応するのは内覧です。内覧当日に訪れた買主候補に部屋の中や設備を案内し、物件をアピールしましょう。内覧者が購入したいとなれば、具体的な売却価格について交渉をし、まとまれば成約となります。
【ステップ5】売買契約の締結
売買契約の締結では、一般的に売主と買主、仲介の担当者が集まり、重要事項の読み合わせと署名捺印を行います。
売買契約時に、売主は不動産会社に対して仲介手数料の10~50%を、買主は売主に対して手付金を支払います。手付金は物件価格の5~10%ほどが相場です。
【ステップ6】残金決済・引き渡し
残金決済とは、手付金の残りの購入代金が支払われることです。また、買主がローンを利用する場合には、融資実行の手続きもあわせて行われます。
決済完了後、売主は仲介手数料の残りを不動産会社に支払います。さらに、売却物件にローン残債がある場合には、司法書士に抵当権抹消登記の費用を支払います。
最後に、物件の鍵や資料などを適宜買主に渡して、引き渡しが完了します。
【ステップ7】確定申告
家を売った際、売却益(譲渡所得)がでた場合は確定申告が必要です。
確定申告は、基本的に家を譲渡した翌年2月16日から3月15日の間に行います。
売却しても購入時の価格よりマイナスになるなど、売却損になった場合は、確定申告は原則不要です。しかし、譲渡損失の損益通算及び繰越控除の特例を利用する場合には、確定申告が必要となります。
家の売却に失敗するケースと対策
家の売却は人生で何度もある事ではないため、思わぬ失敗に陥ることもあります。ここでは、家の売却でよくある失敗事例を4つ取り上げ、その対策について解説していきます。
- 買い手が中々つかない
- 売却活動が思うように進まない
- 内覧者はいるのに成約につながらない
- 買い手との価格交渉がまとまらない
【失敗例1】買い手が中々つかない
売却活動を続けていても、物件の立地や周辺の需要など、さまざまな理由により買い手が中々つかないことがあります。
このようなときには、改めて周辺の競合物件の調査、価格の見直しの検討を行っていきます。買い手は立地・価格・築年数・広さなどから総合的に判断して物件から選ぶので、「所有している物件の条件に合うのはどんな人か」を考えます。
また、周辺の競合物件と売却物件を比較し、買い手の立場になり選んでもらえそうな価格を再検討することも大事です。
【失敗例2】売却活動が思うように進まない
家の売却では、売却活動が思うように進まないことも珍しいことではありません。
例えば問い合わせや内見予約が入らないなどが挙げられます。
このようなときには、ホームページや広告のビジュアルの見直し、広告媒体を強化するなど、不動産会社の担当者と相談しながら改善が必要です。
不動産会社側から積極的なアクションや提案があれば良いのですが、そうではないケースもあります。
ですので、不動産会社任せにせずに積極的に売主側からも働きかけることが必要です。なお、対策を講じても成果に現れない場合には、価格の見直しや不動産会社の変更を検討しても良いでしょう。
【失敗例3】内覧者は来るのに成約につながらない
内覧者は来るが、その後の成約につながらないことがあります。
自宅売却は内覧回数が多いほど成約に繋がる可能性も高くなります。しかし、成約に至らないということには、見せ方や対応などに問題があると考えられます。
その際は、以下のような改善を試してみてください。
- 綺麗に掃除する(特に水回りは綺麗にする)
- 生活感を極力なくす(物は収納部分に納めるなど)
- 内覧者と積極的にコミュニケーションをとり、物件や周辺のアピールをする
- 質問には誠実に対応する
生活感が出やすい水回りの掃除は、ハウスクリーニング会社に依頼するのも良いでしょう。また、不動産取引では売主の心象も大事です。挨拶はもちろん、質問への回答は誠実に対応しましょう。
【失敗例4】買い手との価格交渉がまとまらない
内覧を終えて買主は購入意思があるものの、価格交渉がまとまらず成約に至らないケースがあります。
中古不動産の売買において、価格交渉はよくあることです。本来は不動産会社が間を取り持ち、なるべく高く売れるように上手く交渉してくれますが、必ずしも上手くいくとは限りません。
まずは話がまとまらない場合を想定して、価格交渉になった場合の妥協点をあらかじめ担当者と相談して決めましょう。
また、実際に価格交渉がまとまらない場合には買主の希望を聞きつつ、「利益がいくら残るか」を考えながら妥協点を探っていきます。決して売り急いで価格を下げることがないように、慎重に進めてください。
不動産会社のスキルに問題があると判断した場合は、担当者を変更してもらうのも一つの方法です。
家を想定期間よりも早く売却するコツ
家を早く売るには以下の4つのコツがあります。
- 家の購入需要が高い時期を狙う
- 専任媒介で契約する
- 相場を把握した上で売り出し価格を決める
- 買取保証を検討する
それぞれ具体的なポイントについて解説します。
コツ1】家の購入需要が高い時期を狙う
家を売却するなら購入需要が高い時期を狙いましょう。
不動産は一年を通して購入需要が高まる時期があります。
購入需要が高い時期とは、一般的に1〜3月の春先、9〜10月の秋口です。この時期は転勤や子供の進学などで引っ越しが増えるため、不動産の購入需要が高くなります。
また、需要が高まって買主間で競争が起きるので、早く売れるだけでなく高値での売却も狙えます。
コツ2】専任媒介で契約する
早く売りたい場合は、専任媒介で契約しましょう。
専任媒介は1社しか契約できませんので、成約となれば不動産会社は必ず仲介手数料を得られます。そのため不動産会社の手厚いサポートが期待できます。
ただし、契約形態だけでは不動産は売れませんので、不動産会社の実力を見極めなければなりません。集客力があるか、熱心に営業活動をしてくれるかなど早く売るために必要な強みを持っているか、やりとりを通じて判断しましょう。
コツ3】相場を把握した上で売り出し価格を決める
早くうるためには適正な売り出し価格の設定が重要です。売り出し価格は、相場を把握したうえで決めましょう。
原則、売り出し価格は売主が自由に決められます。しかし、何も考えずに設定しても家は売れません。また不動産会社から提示される査定額は、各社で差があります。その中から妥当な査定額を提示してくれる不動産会社を見極めるためにも、相場を把握しておく必要があります。
相場を自らで調査する方法は、「2-1.情報収集・事前準備」をご参照ください。
コツ4】買取保証を検討する
仲介での売却と合わせて買取保証も検討しましょう。
買取保証とは、不動産仲介で売却が難しい場合に買取も選択できる方法です。
買取保証の場合、買値が相場の70%程度になるデメリットがあるものの、買取契約が決まれば即時に必ず売却できるメリットがあります。買取保証を付けることで、万が一売却できなかった場合でも売却先を確保でき、現金化が可能となります。
家が想定期間を過ぎても売れない時の対処法
家が中々売れない場合、次の対処法を試してみましょう。
- 売り出し時期を見直す
- 買取も検討する
それぞれについて、詳しく解説します。
対処法1】売り出し時期を見直す
不動産売却が長引く場合は、無理して売らずに売り出し時期を見直しましょう。
「4-1.家の購入需要が高い時期を狙う」で前述したように、不動産は1年を通して購入需要が高い時期とそうでない時期があります。
売り出し価格や販売活動に問題がない場合、購入需要が高くない時期に売り出している可能性があります。
1年以上売れない家を売り出したままにしてしまうと、市場では売れ残った印象を持たれてしまい、さらに売れにくくなる可能性があるため、一度売却時期を見直し、再度売り出すことを検討してみてください。
対処法2】買取も検討する
売り出し時期と併せて、不動産買取も検討してみましょう。
買取の場合は仲介よりも売却価格は下がってしまいますが、買取対応している不動産会社が見つかれば売却ができます。
買取対応をしている不動産会社を探すには、「IELICO(イエリコ)」などの一括査定サイトで査定する際に買取希望の旨を伝えて依頼してみましょう。
買取について詳しく知りたい方は、以下の関連記事も参考になさってください。
売却期間も相談できる不動産会社を探そう
不動産会社を選ぶなら、売却期間についても柔軟に相談できる不動産会社を探しましょう。
不動産会社によって営業スタイルが異なるので、売主の希望に対して柔軟に対応してくれる会社もあれば、強引に早期売却をすすめてくる会社もあります。
まずは売却活動に充てられるスケジュールを整理した上で、各不動産会社の担当者に希望する期間内で売却できるかを確認しましょう。難しい場合は、一緒にスケジュールの組み直しをしてくれるか、あるいは売却プランを提案してもらえるのかを確認し、対応を見て依頼する会社を決めてください。
柔軟に対応してくれる不動産会社を探すなら、一括査定サイト「IELICO(イエリコ)」を活用して複数社に査定を依頼し、比較・検討しましょう。

「IELICO(イエリコ)」は、国内初の不動産の一括査定サービス「不動産売却HOME4U(ホームフォーユー)」での20年の実績を元にした審査基準を設けており、利用者にとって最適な不動産会社を提案します。
厳選された優良企業2,100社の中からお客様の条件にあった会社をIELICOがピックアップし、その中から最大6社まで選択することができます。
その他、12,500件以上の口コミから、自分に合う不動産会社を見つけることが可能です。査定を依頼する会社を探すなら、「IELICO(イエリコ)」をぜひご活用ください。
家を売却する期間についてのポイントをおさらい
家を売る期間は、一般的に3〜6カ月程度かかります。
詳しくは「1.家を売るのにかかる期間は3〜6カ月」をご確認ください。
家を売る時の流れは、以下のとおりです。
- 情報収集・事前準備
- 不動産会社への査定依頼
- 媒介契約の締結
- 広告・販売活動
- 売買契約の締結
- 残金決済・引渡し
- 確定申告
詳しくは「2.家を売る時の流れ」をご確認ください。
家を早期売却するコツは、以下のとおりです。
- 家の購入需要が高い時期を狙う
- 専任媒介で契約する
- 相場を把握した上で売り出し価格を決める
- 買取保証を検討する
詳しくは「4.家を早く売却するコツ」をご確認ください。
この記事の編集者

IELICO編集部
家を利口に売るための情報サイト「IELICO(イエリコ)」編集部です。家を賢く売りたい方に向けて、不動産売却の流れ、税金・費用などの情報をわかりやすくお伝えします。掲載記事は不動産鑑定士・宅地建物取引士などの不動産専門家による執筆、監修を行っています。
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