マンション売却時にペットを飼っていると、「売却価格や査定額が下がるのではないか?」という不安を抱えている方は多いのではないでしょうか。
実際に、ペットを飼っているマンションでは、ニオイやひっかき傷などの影響で査定額が下がってしまうケースが見られます。
査定額を下げないためには
- ペットを飼っていると査定額に影響する理由
- 査定額を下げないための対処法
- マンション売却で査定額に影響を与える項目
を把握し、しっかりと対処をしてからマンション査定を依頼することが重要です。
査定額が下がる原因を知り、対策を講じることで、査定額の低下をおさえることができるでしょう。
- 「何から始めたらいいか分からない方」は、まず不動産会社に相談を
- 「不動産一括査定」で複数社に査定依頼し、”最高価格”を見つけましょう
- 「NTTデータグループ運営」のHOME4Uなら、売却に強い不動産会社に出会えます
目次
ペットを飼っているとマンション売却価格が下がる理由
ペットを飼っているだけではマンション売却の査定額は下がりません。しかし、ペットを飼うと、室内に次のような影響が出るため査定額が下がるとされています。
- ペットのニオイが部屋に残る
- ノミやダニが発生する可能性がある
- 室内の床や壁にひっかき傷ができる
ペットを飼うと、具体的にマンション売却にどのような影響を与えるのか、査定を依頼する前に知っておきましょう。
理由1】ペットのニオイが部屋に残る
ペットのニオイが部屋全体に残っていると、査定額に影響します。
ニオイは毎日の生活に影響するため、そのような物件は避けたいと考える方がほとんどです。内覧時にニオイが残っていると、買い手は良い印象は持ちません。
そのため、不動産会社も査定額を一般的なマンションよりも下げて提案します。
理由2】ノミやダニが発生する可能性がある
ペットを飼っていたマンションは、ノミやダニが発生する可能性が考えられます。
万が一発生した場合、クリーニングや駆除などの対応が必要となり、費用が増加します。そのため、査定額が下がったり、値引き交渉の対象になったりする可能性があります。
また買い手が子育て中のファミリーの場合、健康への影響を懸念し購入が見送られるケースも多いでしょう。ノミやダニ、その死骸やフンなどは、アレルギー性疾患の原因になるからです。
理由3】室内の床や壁にひっかき傷ができる
犬や猫などの爪とぎ等で傷跡ができることがあります。こうしたペットによる室内の床や壁などへのひっかき傷も、査定額が下がる原因となります。
傷は見栄えが悪くなるため、買い手の評価は下がってしまいます。修繕やリフォームが必要になるほど傷が多ければ、買い手は見つけにくくなるでしょう。
そのため、傷の状態によっては、査定額が下がります。
ペット共生型マンションは価格が下がりづらい
ペット共生型マンションはペットを飼うことを前提としているので、室内に影響が出づらく査定額も下がりづらいです。
ペット共生型マンションの室内では、以下の対策が施されています。
- ドッグフェンス
- リードフック
- ペット用建具(くぐり戸)
- 滑りづらく傷がつきづらいフローリング
- 貼り替えやすいクロス
- 空気清浄機
- キャットウォーク
また、ペット専用の設備は共用部分にも備え付けられています。
ペット共生型マンションを候補に入れて検討される方は、自身も一緒に住むことを前提に探しています。そのため、ペットを飼っていることが査定額に影響を与える可能性は少なくなります。
ペットを飼っていたマンションの売却価格を下げない方法
マンション売却時にペットを飼っていることが査定額に影響を与えないよう、以下4つの対策を行ってください。
- 室内のニオイを徹底除去
- ペットの爪でできた傷を修繕
- ノミやダニはハウスクリーニングを依頼して除去
- 内覧時にはペットを不在に
ご自身の状況にあわせて、どの対策を行うべきか確認してください。
方法1】消臭スプレーやクロスの張替えなどでニオイを徹底除去する
ペットのニオイが残っている場合は、消臭スプレーの散布や芳香剤の設置などで徹底除去しましょう。
少々のニオイであれば消臭スプレーを定期的に散布することで少しずつ解消できますが、厄介なのは壁紙などのクロスにニオイが沁みついているケースです。
クロスはニオイを吸収しやすく中々除去できませんので、張替えすることで対応します。ニオイが解消されるまである程度期間が必要ですので、査定を依頼する直前ではなく、余裕を持って解決しておきましょう。
方法2】爪でできた傷を修繕する
ペットの爪でできた傷は、査定前に修繕してください。ただし、どの程度の傷を修繕するかがポイントです。
たとえば、猫のひっかき傷で壁一面がボロボロになっている場合は、壁紙を貼り替えてできるだけ好印象にしたほうがよいでしょう。
また、内装ドアや建具、フローリングなども同様に、目に余る傷や破損は修繕しましょう。
一方で、中古住宅では多少の傷や摩耗が見られるのは当然ですので、傷がさほど気にならなければ修繕しなくてよい場合もあります。
修繕すべきか迷った場合は自分で判断せずに、査定時に不動産会社と相談することが肝心です。修繕費用を値引きに回すなど、査定額や後の売却価格に影響を与えずに売却できる方法を提案してくれるはずです。
方法3】ノミやダニはハウスクリーニングを依頼する
子どものアレルギー性疾患の原因になるノミやダニは、ハウスクリーニングを依頼して駆除しましょう。
何も対処しない、あるいは自分で掃除する程度ではノミやダニが残ってしまう懸念があるため、自分で対処せずに、ハウスクリーニング会社に駆除してもらう方が確実です。
ハウスクリーニングを依頼する際は、タイミングが重要です。引っ越し後に実施することで、買主に安心を与えられます。
住みながらのマンション売却であれば、売却の条件にハウスクリーニングを加えます。
ただし、買い手にリフォームする予定があれば、ハウスクリーニングを取りやめる代わりに値引きを希望される可能性があるため、臨機応変に対応しましょう。
また、ハウスクリーニングの代金は売主の負担になることが多いため、注意が必要です。
間取り | ハウスクリーニングの費用相場 |
---|---|
1R、1K | 30,000~45,000円 |
1LDK、2LDK | 40,000~75,000円 |
3LDK、4LDK | 80,000~105,000円 |
方法4】内覧時はペットを不在にする
住みながらマンションを売却する場合、内覧時や不動産会社の訪問査定時にはペットを預けるなどして不在にすることをおすすめします。
ペットがいることで内覧に集中できないだけでなく、鳴き声やニオイで悪い印象を与える可能性があるからです。
内覧がある際は散歩に連れていく、知人に預かってもらう、ペットホテルや動物病院に預かってもらうなどの対策を取りましょう。
注意点としては、人によっては犬や猫に対するアレルギーを持っている場合もあるので、ペットを飼っている事実を隠さないことです。
故意にペットを飼っていることを知らせず、それが原因でトラブルに発展した場合には損害賠償請求される可能性もあります。
なお、内覧者がペットを飼っている場合は、ペットがいるほうが好印象になるケースもあるので、仲介する不動産会社に確認しておきましょう。
マンション売却価格に影響するペット飼育以外のポイント
ペットを飼っていること以外に、以下の5点はマンション売却の査定に影響します。
- 築年数
- 間取り
- 立地
- 周辺環境
- 設備や管理状況
どの不動産会社でも上記5つのポイントは重要視して評価していますので認識しておいてください。
ポイント1】築年数
マンションの査定額に大きく影響するのが築年数です。
基本的に、中古マンションの築年数が古いほど査定額が低くなります。
築年数と査定額の目安としては、築1年から築20年までが急激に価格が下落し、築21年目意向は緩やかなペースで下落します。
築年数 | 平米単価 | 変化率 | 価格 | 面積 |
---|---|---|---|---|
0~5年 | 94.63万 | 100.0% | 6,136万 | 64.84平米 |
6~10 | 82.83万 | 87.5% | 5,538万 | 66.86平米 |
11~15 | 69.41万 | 73.3% | 4,886万 | 70.38平米 |
16~20 | 64.35万 | 68.0% | 4,685万 | 72.80平米 |
21~25 | 54.10万 | 57.2% | 3,746万 | 69.24平米 |
26~30 | 37.15万 | 39.3% | 2,275万 | 61.23平米 |
31年~ | 35.61万 | 37.6% | 2,040万 | 57.28平米 |
出典:東日本不動産流通機構「築年数から見た首都圏の不動産流通市場(2021年)」
築年数が5年以内の物件が成約になった平米単価を100とした場合に、築年数の落ちる単価の割合は、東日本不動産流通機構が算出している「築年数から見た首都圏の不動産流通市場(2021年)」を確認できます。
上記の結果から、マンションを高く売却したい場合は、築20年以内の売却がおすすめです。
ポイント2】間取り
マンション売却では間取りが売れやすさを左右します。
一番売れやすい間取りは3LDK、次いで2LDKです。どちらもファミリー層や、これから家族を増やす予定のあるカップル世帯でも手が届きやすいため、人気がある間取りです。
間取りがいい物件は立地条件が多少悪くても売却しやすいので、早期の売却が期待できます。
対して、売れにくい間取りは4LDKと1LDKです。
4LDKは部屋数と床面積に比例して売却価格が高くなり、1LDKは単身者などニーズが限定的なので売れにくい間取りです。
ポイント3】立地
立地もマンションの査定額に大きく影響する要因です。
駅から近いほど査定額が上がり、駅から徒歩10分以上になれば査定額は下がります。
同じような間取りでも、駅からの距離によっては数百万円ほどの違いが出ることも少なくありません。
ポイント4】周辺環境
マンションの立地も査定額に影響を与えますが、周辺環境も重要です。
特に子育てをしているファミリー層は、緑が多く閑静な住宅地の中に立つマンションを好みます。
駅近などの立地条件よりも、子育てのしやすさ、マンション周辺の環境が静かで安全に過ごせるかなどを重視する傾向にあります。
その他、近隣に商業施設があるなど、利便性が高ければ査定額も上がります。
ポイント5】設備や管理状況
「マンションは管理を買え」と言われるほど管理体制は重要で、査定額にも影響を与えます。
管理体制がしっかりしていなければ敷地内のごみや汚れが目立ち、植木の手入れも不十分なためにマンション全体の美観を損ねます。
最近では防犯面も重要視される傾向が強いため、管理人の人数や管理体制、エントランスの常駐の有無なども査定額に影響を与えます。
また、マンションの設備、特に共用設備は自分でリフォームできないため、チェックポイントとされます。
そのため、防犯カメラやオートロック、面格子の設置など容易に不審者が入れない仕組みになっているマンションは人気があります。
ペット可のマンション売却を成功させるには不動産会社選びが最重要
ペットを買っている場合のマンション売却では、ペット可マンションの取り扱い実績がある不動産会社を選ぶことが、売却成功に欠かせません。
また、不動産会社を選ぶ際は、査定を複数社に依頼すること、担当者との相性もチェックすることを必ず行いましょう。
以下、信頼できる不動産会社の選び方について解説します。
不動産査定は必ず複数社に依頼する
マンション査定は、1社だけに任せず複数社に依頼し、比較検討しましょう。
不動産会社は、それぞれ販売実績や得意分野が違います。
特に、ペットを飼っていたマンションの売却となれば、問題点や買い手の心理なども理解している会社を見つけなければなりません。
一般的なマンション売却の条件とは異なるため、一社だけの査定で信頼できる不動産会社を見つけることは困難です。そのため、複数社へ査定依頼して見極める必要があります。
また「IELICO(イエリコ)」などの一括査定サービスを活用して複数社に査定依頼し、それぞれの査定額を比較すれば不動産の相場価格を把握することもできます。適正な販売価格での販売は、スムーズな売却につながります。

担当者の相性も見て決める
売却実績が豊富な不動産会社かどうかだけでなく、担当者と相性が合うかも大切です。
担当者と信頼関係を築けなければ、売却活動の方向性や販売方法について決めるのは困難でしょう。また、売却活動が6ヶ月以上の長期間になる可能性もあるため、スムーズなやり取りができないと売却の成功にも影響を及ぼしかねません。
また、ペットを飼っているマンションの売却では、買い手の希望条件や心情を正しく理解できているかも重要です。
しかし、数ある不動産会社から自分で、一社ずつ問い合わせて担当者を見極めるのは時間も手間もかかりすぎます。そこで便利なのが、一括査定サイト「IELICO(イエリコ)」です。
「IELICO(イエリコ)」は、国内初の不動産の一括査定サービス「不動産売却HOME4U(ホームフォーユー)」の20年にわたる実績を元にした審査基準を設けています。
厳選された優良企業2,100社の中からお客様の条件にあった会社を「IELICO(イエリコ)」がピックアップし、その中から最大6社まで選択することができます。査定を依頼する会社を探すなら、「IELICO(イエリコ)」をぜひご活用ください。
ペット可のマンション売却を成功させるポイントをおさらい
ペットを飼っていることがマンションの査定額に影響する理由は、以下のとおりです。
- ペットのニオイが部屋全体に残る
- ノミやダニが発生し、部屋に残る可能性がある
- 室内にひっかき傷が残る
詳しくは「1.ペットを飼っているとマンション売却の査定額に影響する理由」をご確認ください。
ペットを飼っているマンションの査定額の下げないための対処法は、以下のとおりです。
- ニオイ対策をする
- 目立つ傷や破損は修繕する
- ノミやダニはハウスクリーニングで対策する
- 内覧時にはペットを預ける
詳しくは「2.ペットを飼っていたマンションの査定額を下げないための対処法」をご確認ください。
ペットを飼っていること以外にも、以下の5点はマンション売却の査定額に影響します。
- 築年数
- 間取り
- 立地
- 周辺環境
- 設備や管理状況
詳しくは「3.その他マンション売却の査定に影響するポイント」をご確認ください。
この記事の編集者

IELICO編集部
家を利口に売るための情報サイト「IELICO(イエリコ)」編集部です。家を賢く売りたい方に向けて、不動産売却の流れ、税金・費用などの情報をわかりやすくお伝えします。掲載記事は不動産鑑定士・宅地建物取引士などの不動産専門家による執筆、監修を行っています。
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