家の住み替えは、ライフスタイルの変化に合わせて決めるのが基本です。しかし、住宅ローン金利の動向や築年数によって、住み替えに適したタイミングがあるため、知っておくとより有利に住み替えを進めることができます。
住み替えを成功させるには、
- 住み替えに適したタイミングはどんな時か
- 住み替えの方法
- 住み替えに失敗しないためのポイント
などを理解してから売却活動に取り組むことが重要です。本記事を読むことで、住み替えに失敗するリスクを避け、スムーズに売却活動を進めることができるでしょう。
「売却を考えているけど、難しい話をたくさん読むのは苦手」「すぐに売却したい」という方は、この記事をざっくりと大枠で押さえた上で、まずは「IELICO(イエリコ)」を使って複数の不動産会社にまとめて売却査定を依頼してみることをおススメします。
目次
1.家の住み替えのタイミングは「ライフスタイルの変化」に合わせて決める

基本的に、家の住み替えのタイミングは、ライフスタイルの変化にあわせて決めていきます。
ライフスタイルの変化として、以下のようなケースが挙げられます。
- 出産で家族が増えた
- 通勤・進学で生活エリアが変わる
- 高齢になりこれまでの住居で暮らしにくくなった
出産で家族が増えれば、子育てのために新しい部屋が必要になります。居住している家の部屋数を増やすことは難しいため、引っ越しを考える方が多いでしょう。
転勤や子供の進学などは、物件の広さや居住空間よりも、生活エリアが大きく変わることで引っ越しが必要となります。
高齢になり子供も独立すると、部屋数や部屋の広さが必要なくなります。また3階や2階建ての戸建てでは、移動が負担になるケースも少なくありません。維持管理や身体への負担を減らすために、コンパクトな自宅へ住み替えを希望される方が多くなります。
このように、ライフスタイルの変化により、必要となる広さや間取りエリアが変わることで、住み替えを検討するタイミングが訪れます。
2.家を住み替えるのにおすすめのタイミング

家の住み替えは、ライフスタイルの変化以外に、次のようなタイミングで検討するのもおすすめです。
- 住宅ローンの金利が低いタイミング
- 築年数が浅いタイミング
- 住宅ローン控除の上限年数を過ぎるタイミング
おすすめする理由について、それぞれ解説します。
2-1.住宅ローンの金利が低いタイミング
住宅ローンの金利が低ければ、当然、返済額の負担も軽減されます。また、借入額の幅も広がり同じ年収でもローンが組みやすくなります。
そのため、住宅ローン金利が低下したタイミングを狙って住み替えるのがおすすめです。
2023年4月現在、住宅ローンの変動金利は歴史的な低金利状態が続いていますので、住み替えるのにおすすめのタイミングです。なお、固定金利は上昇傾向のため、金利を選ぶ際は慎重に検討しましょう。
2-2.築年数が浅いタイミング
築年数が浅いタイミングが住み替えにおすすめな理由は、築浅であるほど人気があり高値で売却できる可能性が高いからです。
また、建物の価値は築年数が経過するごとに下がります。たとえば木造一戸建ての場合、築10年で約半分の価値となり築22年経過でゼロとなる統計データもあります(参考:国土交通省「中古住宅流通、リフォーム市場の現状」)。
マンションは鉄筋コンクリート造が多いので価値の減少は比較的なだらかですが、やはり築年数の経過で価値は下がります。
築年数が経過してからの売却は、想定よりも価格がつかない場合がありますので、家を売却するなら、少しでも築年数が浅いうちに売却準備をはじめましょう。
2-3.住宅ローン控除の上限年数を過ぎるタイミング
住宅ローン控除の上限年数が過ぎるタイミングにも、住み替えを検討しましょう。
住宅ローン控除とは、年末のローン残債に一定の控除率を掛けた金額を所得税と住民税から還付する制度となります。しかし、住宅ローン控除の上限である10年~最大13年が過ぎれば、税制優遇はなくなります。
よって、税金が上がる前に住み替えをするのもおすすめなタイミングといえます。
3.家を住み替えるタイミングは「売り先行」か「買い先行」か

家の住み替えを進めるには、「売り(売却)先行」「買い(購入)先行」「同時進行」があります。3つの進め方と、それぞれどのようなメリット、デメリットがあるのか解説します。
3-1.売り先行で進める場合のメリット・デメリット
売り先行とは、今住んでいる自宅の売却を先に行い、売却完了後に新居探しを行う方法です。

売り先行で進めるメリットは、下記のとおりです。
- 資金計画が立てやすい
- 売却代金を新居の購入資金に充てられる
売却が完了してから新居の購入先を考えられるので、資金計画を立てやすいです。売却が完了すれば、売却によって掛かった経費(仲介手数料など)を差し引き、手元に残る具体的な金額が分かります。
また、売却代金を新居の購入資金に充てられるので、ダブルローンになる心配がなく、健全な資金計画を組めます。
対して、売り先行で進めるデメリットは、下記のとおりです。
- 仮住まいが必要となる
- 売却完了のタイミングで希望する買換え先があるとは限らない
売却完了から新居への入居まで時間差があるため、仮住まいが必要です。そのため、売り先行では新居への引っ越しまでの間、仮住まいとして賃貸住宅への引っ越しや敷金礼金、賃料などの費用が掛かります。
また、売却完了のタイミングで希望の買換え先があるとは限らないため、住み替え期間が長期になるおそれがあります。長期になればその分の仮住まい費用が余計に掛かってしまいます。
3-2.買い先行で進める場合のメリット・デメリット
買い先行とは、新居の購入を先行し、新居に引っ越し後に売却を進める方法です。

買い先行は、新居の購入資金を売却資金とは切り離して、資金計画が組めるケースに限ります。
購入先行で進めるメリットは、下記のとおりです。
- 仮住まいを探す必要がない
- 自分のペースで新居を探せる
買い先行では、新居を先に用意するので仮住まいを探す必要がありません。そのため余計な手間や費用をかけずに済みます。また、自分のペースで新居を探せることから、希望の物件が見つかるまで妥協する必要がありません。
対して、購入先行で進めるデメリットは下記のとおりです。
- 一時的にダブルローンになる
- 売却活動が長期化すると価格を下げて売らなければならなくなる
一時的に物件を2件所有するとなれば、ダブルローンの状態となり経済的負担が増えます。
また、売却活動が長期化するとダブルローンの状態も長くなるのでより負担は増えてしまいます。その結果、価格を下げてでも急いで売らなければならなくなります。
買い先行で進める場合は、購入から売却完了までの期間を短くできるかがポイントです。
3-3.同時進行で進めることも可能
売却と購入は同時進行で進めることも可能です。同時進行とは、自宅を売却しながら物件の購入も進めていく方法です。
同時進行は次の2つの方法があります。
- 売却資金と購入資金を切り離して資金計画を組む
- 売却物件の引き渡しと購入物件の引渡しを同日に行う
ひとつは売却と購入を切り離し、購入は売却資金を充てずに資金計画を組む方法です。
仮にローンを組んだとしても、一時的なダブルローンで売却完了後に繰り上げ返済となります。もし、売却と購入、引渡しのタイミングが合えば、ダブルローン期間が実質的になくなるためローン負担分を大幅に減らせる可能性もあります。
もうひとつは、売却物件の引渡しと購入物件の引渡しを同日に行う方法です。売却物件の引渡し条件を購入物件の引渡しを受ける日までとすることで、資金の移動をスムーズに行えます。
ただし、売却期限が決まっているため、売却が進まない場合には、売価を下げて販売しなければならなくなるおそれもあります。
同時進行で行うメリットは、下記のとおりです。
- 仮住まいが必要ないので引っ越しが1回で済む
- 手続きが楽で無駄がない
住み替えを同時進行で行うと、仮住まいが必要ありません。そのため手間や費用をおさえることができます。また同時進行で住み替えができれば、売却と購入、そして引っ越しが一度に完結するのも大きなメリットです。
対して、同時進行で行うデメリットは、下記のとおりです。
- ダブルローンや仮住まいになる可能性がある
- タイミングを合わせるのが難しい
住み替えを同時進行する際、もっとも困難なのは売りと買いのタイミングを合わせることです。
家の売却で買主はいつ現れるか、購入で希望通りの物件が見つかるか、といった見通しを確実に立てることはできないからです。
同時進行で住み替えを成功させるには、以下のポイントをおさえて進めてください。
- 住み替え先は引き渡し時期を調整できる物件を選ぶ
- 購入物件の引渡しを受ける時期に合わせて売却活動をする
購入した物件の引き渡し日を調整できれば、ダブルローンにならずにすみます。また、売却活動も並行して行うことができますので同時進行での住み替えが進みやすくなります。
「売り先行」「買い先行」のメリット・デメリットは以下の記事でも詳しく解説しています。
4.家の住み替えに失敗しないためのポイント

家の住み替えには、失敗しないポイントが5つあります。
- スケジュールに余裕を持つ
- 住み替えで必要なお金の流れを把握する
- 事前に住宅ローン審査を済ませる
- 売り出し価格を高く設定し過ぎない
- 不動産買取の利用も考える
ポイントをおさえることで、スムーズに住み替えを進められます。
4-1.スケジュールに余裕を持つ
最も大事なことは、スケジュールに余裕を持つことです。
家の売却には、一般的に3か月〜6か月程度かかります。しかし、物件の立地や価格設定などにより買主がいつ現れるかはわからないため、売却期間は当然に前後します。また、スケジュールに余裕がないと、売り急いでしまい損するおそれもあります。
購入についても焦って決めないことが重要です。急いで新居を購入し後から後悔しても、かんたんに引っ越しはできません。結果として損をしたり、新居の選定を間違えて後悔したりすることがないように、スケジュールに余裕を持つことが大事です。
4-2.住み替えで必要なお金の流れを把握する
住み替えで必要なお金の流れを把握することも重要です。
住み替えでは、売却で多額の資金を得る一方、購入では多額の資金調達が必要です。また、売却と購入では仲介手数料や登記費用など、一定の経費が掛かります。
このように、住み替えでは動くお金の金額も動かす機会も多いため、流れを把握していなければスムーズに進めることはできません。
お金の流れを正しく把握し、タイミングに応じて滞りなく準備できるよう、十分な資金計画を練りましょう。
4-3.事前に住宅ローン審査を済ませる
住み替えは事前に住宅ローン審査を済ませておきます。
住宅ローンの審査は、年収や年齢、勤務先と個人信用情報を閲覧し審査を行います。現在他の借入れがあるときや過去にローン延滞しているなど信用情報に不安がある場合、審査に通らないおそれがあります。
よって、ローンに不安がある場合やローン借入れが可能かの確認、また購入を希望する物件の資金調達の見込みをつけるため、事前に住宅ローンの審査を済ませ融資承認を取っておくと安心です。
4-4.売り出し価格を高く設定し過ぎない
家の売却を成功させるためには、売り出し価格を高く設定し過ぎないようにしましょう。
売り出し価格を高く設定し過ぎると、市場での反応が悪く買い手がつきづらく売却チャンスを逃しやすくなります。
しかし、低すぎると値引き交渉などがあった場合に損をしますので、相場よりも1割程度高い金額が望ましいです。
4-5.不動産買取の利用も考える
仲介だけでなく、不動産会社が直接家を買い上げる「買取」の利用も考えましょう。
家の住み替えは、今の家を売却することで資金計画が成り立つケースがあります。よって、売却が進展しない場合には、即時売却が可能な買取も検討しておきましょう。
なお、買取の査定は「IELICO(イエリコ)」などの一括査定サービスを利用して複数社に依頼することをおすすめします。査定する会社により、買取額に差異があるからです。また、住宅ローンがある場合には買取金額にて完済できるかを確認しておくことも重要となります。買取については、以下の関連記事でも詳しく紹介しています。
5.住み替えを考えるなら不動産会社に相談しよう!

住み替えの手続きは複雑なため、信頼できる不動産会社に相談するのが安心です。
不動産会社の担当者に相談することで、住み替えの流れや資金調達の方法、自宅の査定や住み替えに掛かる費用など、必要な手続きがわかり、住み替えの流れがはっきりとしてきます。
安心して相談できる不動産会社を探すなら、不動産一括査定サイト「IELICO(イエリコ)」がおすすめです。

「IELICO(イエリコ)」は、国内初の不動産の一括査定サービス「不動産売却HOME4U(ホームフォーユー)」での20年の実績を元にした審査基準を設けているので、利用者にとって最適な不動産会社を提案してくれます。
査定を依頼する会社は厳選された優良企業2,100社の中からお客様の条件にあった会社を「IELICO(イエリコ)」がピックアップし、その中から最大6社まで選択することができます。
その他、12,500件以上の口コミから、自分に合う不動産会社を見つけることが可能です。査定を依頼する会社を探すなら、「IELICO(イエリコ)」をぜひご活用ください。
この記事のポイント
家の住み替えに適したベストなタイミングは以下の通りです。
- 住宅ローンの金利が低いタイミング
- 築年数が浅いタイミング
- 住宅ローン控除の上限年数を過ぎるタイミング
詳しくは、「2.家を住み替えるのにおすすめのタイミング」をご確認ください。
家の住み替えに失敗しないポイントは以下の通りです。
- スケジュールに余裕を持つ
- 住み替えで必要なお金の流れを把握する
- 事前に住宅ローン審査を済ませる
- 売り出し価格を高く設定し過ぎない
- 不動産買取の利用も考える
詳しくは、「4.家の住み替えに失敗しないためのポイント」をご確認ください。
この記事の編集者

IELICO編集部
家を利口に売るための情報サイト「IELICO(イエリコ)」編集部です。家を賢く売りたい方に向けて、不動産売却の流れ、税金・費用などの情報をわかりやすくお伝えします。掲載記事は不動産鑑定士・宅地建物取引士などの不動産専門家による執筆、監修を行っています。
カンタン1分入力
最大6社にまとめて 売却査定依頼
人気記事
- 新築マンションを高く売却するコツとは?売るタイミングや買ったばかりで売る注意点も解説
- 2025年問題まであと2年!不動産は本当に大暴落するの?今後の不動産売却のタイミングは?
- 【2023年10月導入】不動産賃貸の大家さん必見!インボイス制度の全貌と今やるべき対策を完全解説
- 抵当権抹消登記を自分でやってみたい!手順と注意点
- 不動産売却で確定申告を行う手順・必要書類・税金の計算方法
- 家の売却でやってはいけないこと8選!失敗・後悔しないためのポイントを紹介
- 不動産登記簿は無料で閲覧できるのか?取得方法と書き方を解説
- 【2023年更新】最新の路線価発表状況からみる動向
- 全国地価マップの見方!価額が表示されない地域の調べ方も解説
- 住宅ローン返済中の家を売るには?売却方法や離婚・引越し時の注意点・完済できない時の対処法