マンションを売却するなら、誰もが「高く売りたい」と考えるでしょう。しかしタワーマンションの場合、修繕管理費や購入費用が高いことなどから「売りにくい、売れない」とも言われています。
タワーマンションを高く売るためには、以下を把握することが重要です。
- タワーマンションが売れないと言われる理由
- マンションの売り時と言えるタイミング
- 高く売却するコツ
この記事を最後までお読みいただき、タワーマンションの売却のコツを正しく理解した上で売却活動に取り組みましょう。
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目次
1.タワーマンマンションが「売れない」と言われる4つの理由
タワーマンションは「売れない」と言われています。その理由は次の4つがあります。
- 修繕費や管理費が高い
- 一般的なマンションと比較して購入価格が高い
- 低層階は価値が下がる
- 周辺に同じようなタワーマンションが多く立っている
まずは、タワーマンションが売れない本質的な原因を理解しましょう。
1-1.修繕費や管理費が高い
タワーマンションが売れないのは、修繕費や管理費の高さが影響しています。
マンションの修繕工事が必要となった場合、一般的なマンションであれば地上から足場を組むことで修繕工事を容易に行えます。対してタワーマンションは大規模な高層住宅なので、高層階に足場を組むことはできません。
そのため、屋上から吊り下げるゴンドラを用意しなければならず、その分、一般的なマンションの修繕工事よりも多くの機材や人手の確保が必要となるため修繕費が高くなるのです。
また、タワーマンションは管理費も一般的なマンションより高い傾向があります。共有のジムやパーティールーム、来客の宿泊施設、立体駐車場など、共有施設が充実している分、メンテナンス費用や管理人・警備員などの人件費もかかるため、トータルで必要となる管理費が高額になります。
1-2.一般的なマンションと比較して購入価格が高い
タワーマンションは、一般的なマンションと比較して購入価格が高いです。
例えば、タワーマンションが建てられる立地は、駅直結など生活利便性の高いエリアです。このような立地は、周辺相場よりも付加価値が付くことがあります。
また、前述したように設備やデザイン性に力を入れている分、建築費用も大きくなるので、売り出し価格自体も高く設定しなければ売り主は利益がでないのです。
結果として、タワーマンション以外のマンションと比較して相場が高くなり売れにくくなるケースがあります。
1-3.低層階は価値が下がる
タワーマンションの低層階は価値が下がりやすくなります。
タワーマンションは、一般的に眺望が良い高層階に人気が集中しやすいです。また、周辺の環境によっては日当たりが悪くなるため、高層階と比較して価値が下がりやすく、売却の際、高層階よりも動きが鈍くなる傾向があります。
1-4.周辺に同じようなタワーマンションが多く建っている
周辺に同じようなタワーマンションが多く建っていると、売れにくくなると言われます。
タワーマンションは立てられるエリアが限定されているので、特定の場所に集中してしまいます。その結果、同じようなマンション同士で買い手の獲得競争が起き、売れづらくなります。
また、タワーマンションは一棟あたりの戸数が多く、似たような間取りや特徴であることから、差別化が難しく売却の難易度が高くなってしまいます。
2.高値がつきやすいタワーマンションの条件
高値がつきやすいタワーマンションの条件は、以下の3つです。
- 立地が良い
- 日当たりや方角がいい
- 設備が充実している
それぞれの条件について、詳しく解説します。
2-1.立地が良い
立地が良いタワーマンションは、高値が付きやすくなります。
タワーマンションはそもそも立地に恵まれた場所に建てられることが多いですが、中でも高値がつきやすいのは、駅の近くや商業施設、病院などへのアクセスが良いエリアです。
例えば駅直結や徒歩数分圏内などは希望される方も多いため、高値でも買い手がつきやすくなります。また、スーパーや大型ショッピングモール、病院なども日常生活や緊急時に欠かせない施設ですので、アクセスの良さを重要視される方は多いでしょう。
立地という括りでも上記のような条件の良さが揃っていれば、高値がつきやすくなります。
2-2.日当たりや方角がいい
日当たりや方角がいいタワーマンションも高値がつきやすいです。
日当たりは日常生活にも影響するので、物件選びの条件で重要視される方が多いです。物件自体が新しくきれいであったとしても、日当たりが悪ければ価値が下がることもあります。
一般的に日当たりが良いとされるのは南向きです。内覧する時間帯によっては日当たりを確認できないこともあるので、方角を基準に選ぶ方もいます。ですので、日当たりや方角は高値での売却には重要な条件です。
2-3.設備が充実している
高値での売却を目指すなら、設備が充実しているかも影響します。
一般的なマンションではなくタワーマンションを選ぶ人の中には、設備が充実しているかを購入する上で重要視する方が多くいるためです。
購入希望者が重要視する設備の例は以下の通りです。
室内 | ● 広く設計されたキッチン ● 食器洗い乾燥機 ● 床暖房 |
共用部分 | ● ゲストルーム ● キッズルーム ● フィットネスルーム ● コンシェルジュサービス ● 宅配ボックス |
設備が充実しているほど価値は高くなり興味関心を持つ人も増えるので、高値でも買い手がつきやすくなります。
3.タワーマンションの売却に適したタイミング
タワーマンションの売却に適したタイミングは以下の3つです。
- 購入後5年が経過したタイミング
- 購入後10年が経過したタイミング
- 大規模修繕前のタイミング
具体的にどのようなタイミングが適しているのかについて解説します。
3-1.購入後5年が経過したタイミング
タワーマンションを購入してから5年経過していれば、売却に適したタイミングと言えます。5年が経過してから売却することで、譲渡所得税に適用される税率が下がるからです。
不動産売却で発生する譲渡所得を計算する際、短期譲渡所得と長期譲渡所得があります。
短期譲渡所得とは……所有期間が5年以下の不動産を売却した際の譲渡所得
長期譲渡所得とは……所有期間が5年超の不動産を売却した際の譲渡所得
短期譲渡所得と長期譲渡所得はそれぞれ以下の税率が設定されています。
短期譲渡所得 | 39.63%(所得税30.63%、住民税9%) |
長期譲渡所得 | 20.315%(所得税15.315%、住民税5%) |
※復興特別所得税を含む
参考:国税庁「No.3211 短期譲渡所得の税額の計算」「No.3208 長期譲渡所得の税額の計算」
仮に譲渡所得が同じ金額となった場合、5年経過してから売却した方が支払うべき税金は小さく済みます。
ただし、所有期間の数え方には注意しなければなりません。所有期間は、マンションを売却した年の1月1日時点が基準になります。
例えば2010年2月1日に引き渡しを受け、その後2015年5月1日に譲渡した場合です。このとき、所有期間としては5年超となりますが、譲渡した年の1月1日時点では5年以下となってしまうため、短期譲渡所得の税率が適用となります。
所有期間が5年前後の方は、タイミングに問題がないかよく確認してから売却するようにしましょう。
3-2.購入後10年が経過したタイミング
購入してから10年経過したタイミングも、売却に適しています。所有期間が10年超で売却益が発生した場合、「10年超所有軽減税率の特例」が適用されます。
特例が適用されれば、6,000万円以下の部分は税率が14.21%(所得税10.21%、住民税4%)に軽減されます。(6,000万円超の部分は、長期譲渡所得と税率は同一)
参考:国税庁「No.3305 マイホームを売ったときの軽減税率の特例」
3-3.大規模修繕前のタイミング
大規模修繕前のタイミングも、売却に適しています。
タワーマンションの大規模修繕は修繕工事の費用が高いことから、各世帯が負担する金銭は高額になります。マンションによっては大規模修繕時に数十~百万単位の負担が生じるケースもあります。
また、タワーマンションの修繕工事は前述でお伝えしたとおりに手間が掛かり、工期は1年〜2年程度になることは珍しくありません。その間、日常生活に少なからず支障が出る可能性もあります。
金銭的な負担や日常生活への影響を考慮すると、大規模修繕の前に売却する方が良いと言えます。
4.タワーマンションを高く売却するコツ
タワーマンションを高く売却するコツは3つあります。
- 分譲主の不動産会社に売却を依頼する
- 早いうちに売却する
- タワーマンションの売却が得意な不動産会社に依頼する
それぞれのコツについて、具体的に解説します。
4-1.分譲主の不動産会社に売却を依頼する
可能であれば、分譲主の不動産会社に売却を依頼しましょう。
分譲主の不動産会社であれば、購入希望者を抱えている可能性がありますので、仲介してもらえるかもしれません。
また、タワーマンションの場合は分譲主が大手不動産会社であることが多いので、グループ会社からの紹介なども期待できます。マンションの特色を理解しているのはもちろん、独自で顧客を抱えている可能性が高いので、可能性がないか相談してみてください。
4-2.早いうちに売却する
タワーマンションは、早いうちの売却を目指しましょう。
築年数が経過するごとにタワーマンションの価値は下がっていきます。一般的なマンションの場合、築20年を過ぎたあたりから建物に価値がつきづらくなっていきます。物件の管理状態にもよりますが、築30年が過ぎれば殆ど土地値のみになるでしょう。
価値が下がるほど買い手はつかなくなってしまうので、結果として売却しづらくなります。また、売却できたとしても、住宅ローンがオーバーローンになる可能性が高くなります。
1年でも早く売却すべきですが、築20年までに売却すれば、比較的高値となるでしょう。
4-3.タワーマンションの売却が得意な不動産会社に依頼する
売却の仲介は、必ずタワーマンションの売却が得意な不動産会社に依頼しましょう。
不動産売却が成功するかは物件や土地自体の価値も重要ですが、不動産会社の営業力や実績も重要なポイントです。一般的なマンションの売却実績が豊富でも、タワーマンションの売却実績がなければ、売れないまま失敗する可能性も十分あります。
タワーマンションは購入希望者のニーズ、傾向が一般のマンションを探している人とは全く違うので、熟知している不動産会社に依頼する方が安心です。
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この記事のポイント
タワーマンションが売れないと言われる理由は以下の通りです。
- 修繕費や管理費が高い
- 一般的なマンションと比較して購入価格が高い
- 低層階は価格が下がる
詳しくは、「1.タワーマンマンションが「売れない」と言われる4つの理由」をご確認ください。
タワーマンションには、売却に適したタイミングがあります。
- 所有後5年が経過したタイミング
- 所有後10年が経過したタイミング
- 大規模修繕前のタイミング
詳しくは、「3.タワーマンションの売却に適したタイミング」をご確認ください。
タワーマンションを高く売却するコツは、以下のとおりです。
- 分譲主の不動産会社に売却を依頼する
- 早いうちに売却する
- タワーマンションの売却が得意な不動産会社に依頼する
詳しくは、「4.タワーマンションを高く売却するコツ」をご確認ください。
この記事の編集者

IELICO編集部
家を利口に売るための情報サイト「IELICO(イエリコ)」編集部です。家を賢く売りたい方に向けて、不動産売却の流れ、税金・費用などの情報をわかりやすくお伝えします。掲載記事は不動産鑑定士・宅地建物取引士などの不動産専門家による執筆、監修を行っています。
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