IELICO イエリコ 家を利口に売る

不動産評価額とは│5種類の調べ方や計算方法を解説

最終更新日:2023.06.14

このページをシェアする
不動産評価額とは│5種類の調べ方や計算方法を解説

不動産評価額には5つの評価額があります。代表的な評価額は相続税路線価や公示地価(公示価格とも呼ぶ)です。評価額は相続税や贈与税の計算に利用したり、土地取引の目安として活用したりします。

この記事では、

  • 5つの不動産評価額の概要
  • 不動産評価額から固定資産税や相続税を算出する方法
  • 税金対策に有効な3つの方法

などを紹介しています。

不動産売却時の税金対策には、家の売却が有効になるケースもあります。信頼できる不動産会社をお探しの場合は、「IELICO(イエリコ)」をご活用ください。

カンタン1分入力
あなたの不動産いくらで売れる?
STEP1
STEP2

1.不動産評価額とは

不動産評価額とは

不動産評価額とは、その名の通り土地や建物などの不動産を評価した価格のことで、1つの不動産に5つの評価額があります。そのため、不動産評価額は1物5価と言われます。

5つの不動産評価額の名称は、次のとおりです。

  • 固定資産評価額
  • 相続税路線価
  • 公示地価
  • 基準地価
  • 実勢価格

5つの不動産評価額は利用目的や公表する自治体、公表時期などが異なります。

■不動産評価額の概要一覧

評価額の目安 調査元 調査年月 公表月 評価額の利用方法
固定資産税評価額 公示地価の70% 市町村(東京23区は都) 3年ごとの1月1日 4月 固定資産税や都市計画税の算出材料として使用
相続税評価額 公示地価の80% 国税庁 毎年1月1日 7月 相続税や贈与税の算出材料として使用
公示地価 土地鑑定員委員会が総合的に判断 国土交通省 毎年1月1日 3月 土地取引や金融機関の担保評価の目安として使用
基準地価 公示地価とほぼ同じ 都道府県 毎年7月1日 9月 土地取引や金融機関の担保評価の目安として使用
実勢価格 市況や過去の売買取引価格 不動産会社 随時 随時 不動産売買の目安として使用

評価額の目安となる公示地価とは、国土交通省の土地鑑定委員会が調査する土地価格で、毎年3月に公表されます。「銀座の一等地の公示地価が最高額を更新」などとニュースでも報道されるので、耳にしたことがある方もいるかもしれません。

次項では、それぞれの不動産評価額について詳しく説明していきます。

1-1.固定資産税評価額

固定資産税評価額とは、固定資産税や都市計画税を計算するために必要な不動産評価額です。

固定資産税評価額は、市町村(東京23区は都)が3年に1度の基準年に調査し、3年ごとの4月頃に公表されます。3年に1度の基準年の1月1日時点の評価なので、ほかの評価額とずれが生じることがあります。

固定資産税評価額として評価された価格は、一般的に公示地価の70%ほどの数値になります。

1-2.相続税路線価

相続税路線価とは、土地の相続税や贈与税を計算するために必要な不動産評価額です。

相続税路線価は、毎年1月1日時点の不動産評価額を調査し、7月頃に公表されます。相続税路線価を調査・公表するのは国税庁です。

相続税路線価として評価された価格は、一般的に公示地価の80%ほどの数値になります。

1-3.公示地価

公示地価とは、土地取引や金融機関の担保評価の目安として使用される不動産評価額です。

公示地価は、毎年1月1日時点の不動産評価額を調査し、3月頃に公表されます。公示地価を調査・公表するのは国土交通省です。

公示地価は他の不動産評価額の基準であり、税金計算や不動産取引の基礎となる数値です。

1-4.基準地価

基準地価とは、土地取引や金融機関の担保評価の目安として使用する不動産評価額です。公示地価と利用目的は同じですが、調査する自治体や公表時期などが異なります。

基準地価は、毎年7月1日現在の不動産評価額を調査し、9月ごろに公表されます。基準地価を調査・公表するのは都道府県です。

基準地価はほぼ公示地価と同額になります。

1-5.実勢価格

実勢価格とは、売買相場とも呼ばれ、不動産売買取引の成約価格を収集して算出された評価額です。

実勢価格は、常時行われている不動産取引の不動産成約価格を収集しているため、評価額は常に変動しています。実勢価格は他の4つの評価額に左右されにくい、独自の評価額となります。

2.不動産評価額の調べ方

不動産評価額の調べ方

各不動産評価額を調べるときには、それぞれの評価額が公開されているインターネットサイトで確認することができます。ここからは、各不動産評価額の調べ方を紹介していきます。

2-1.固定資産税評価額の調べ方

固定資産税評価額を調べるには、「固定資産税納税通知書」か「固定資産課税台帳・固定資産評価証明書」を閲覧・取得する方法があります。

固定資産税納税通知書は、毎年5~6月にかけて各自治体から不動産の所有者に送付される文書で「価格欄」に、土地と家屋の固定資産税評価額が記載されています。

通知書がない、紛失してしまったなどの場合は、各自治体の窓口で固定資産課税台帳の閲覧、もしくは固定資産評価証明書の発行が可能です。

ただし、閲覧や発行は不動産の所有者もしくは相続人等の関係者のみです。

不動産を売却したら固定資産税はどうなる?誰がどう支払うか詳しく解説

2-2.相続税路線価の調べ方

土地の相続税路線価を調べる際は、国税庁の「路線価図・評価倍率表」を利用します。

路線価図・評価倍率表

出典:国税庁「財産評価基準書 路線価図・評価倍率表」

路線価図をクリックし、該当するエリアを選択すると、調査する土地に接している地図が開きます。地図の道路には「100G」や「300D」などの数字が記載されています。

相続税路線価は「1,000円 / 平米」単位のため、100Eと記載されている場合、1平米あたり10万円の相続税路線価となります。

また、数字の末尾にあるアルファベットは借地権割合を示しています。借地権割合とは、土地の更地評価額に対する借地権価額の割合のことを言います。つまり、土地を貸していた場合、どれくらい相続税路線価が下がるのか示したものです。

2-3.公示地価・基準地価の調べ方

公示地価・基準地価は、インターネットサイト「土地総合情報システム」で調査することができます。

土地総合情報システム

出典:国土交通省「土地総合情報システム」

土地総合情報システムの「地価公示・都道府県地価調査」から、調査したいエリアに近い調査地点を探します。

調査地点が発見できたら、その調査地点の詳細を確認することで公示地価・基準地価が分かります。調査内容は細かく記載されているため、自分が所有している不動産にどのくらいの金額がつくのか把握しやすいでしょう。

2-4.実勢価格の調べ方

実勢価格は、「土地総合情報システム」か「レインズマーケットインフォメーション」で調査することができます。

土地総合情報システムは、調べたい地域や、不動産の種別(土地・一戸建て・マンションなど)を選択して検索できます。実際に取り引きされた不動産成約情報の一部が表示されますので、所有している不動産と近い物件の相場を確認することができます。

レインズマーケットインフォメーションは土地の調査ができません。マンションか一戸建てを選択して絞り込みをかけます。

レインズマーケットインフォメーション

出典:REINS「レインズマーケットインフォメーション」

併せて都道府県と地域を選択することで、選択した地域で不動産売買取引された不動産成約情報が確認できます。

3.不動産評価額と実際の売却価格は異なる

不動産評価額と実際の売却価格は異なる

ご紹介したように、不動産評価額は5つありますが、実際の売却価格とは異なる点に注意が必要です。

固定資産税評価額・相続税路線価は税金を計算するための評価額、公示地価・基準地価は土地取引や担保評価の目安、実勢価格は今まで成約した不動産価格です。

不動産売却のために実勢価格や公示地価・基準地価を参考にすることはありますが、それぞれの不動産には特徴があるため、売却する不動産ごとに売却金額を決定します。

売却したい物件がいくらで売れるか比較・検討したい場合は、「IELICO(イエリコ)」などの査定サービスを活用して、不動産会社に査定を依頼してみましょう。

4.不動産評価額から税金を計算する方法

不動産評価額から税金を計算する方法

不動産評価額の一部からは、税金を計算することができます。計算できる税金は次のとおりです。

  • 固定資産税
  • 相続税

ここからは固定資産税と相続税の計算方法を紹介していきます。

4-1.固定資産税の計算方法

固定資産税を計算するときには、まず固定資産税評価額を計算します。

固定資産税評価額の計算方法は次のとおりです。

固定資産税評価額 = 固定資産税路線価 × 土地面積(平米)

もし、固定資産税路線価10万円 / 平米、土地面積200平米であれば、固定資産税評価額は2,000万円ということです。なお、この計算式はかなり簡略化した計算式のため、概算で固定資産税評価額を算出するときだけ利用ください。

固定資産税評価額が計算できたら、次に固定資産税額を計算します。固定資産税は次のように算出します。

固定資産税 = 固定資産税評価額 × 標準税率(1.4%)

たとえば、固定資産税評価額3,000万円の土地の固定資産税を計算する場合は、次のような計算式になります。

固定資産税評価額3,000万円 × 税率1.4% = 42万円(固定資産税)

なお、標準税率は課税する自治体ごとで異なり、1.5%や1.6%の税率を採用している自治体もあるため確認しましょう。また、固定資産税は、課税評価額が低いと免税になったり減税措置が設けられたりしています。古い家を相続した場合は、以下の関連記事も参考になさってください。

古い家・一戸建てを売る6つの方法│税金や解体・処分費用等も解説

4-2.相続税の計算方法

相続税を計算するときには、まず相続税評価額を計算します。相続税評価額の計算方法は次のとおりです。

路線価 × 補正率・加算率 × 地積

たとえば、相続税路線価が200E、調査する土地が200平米の場合の計算は次のとおりです。

200E = 20万円 / 平米
相続税路線価20万円 / 平米 × 土地面積200平米 = 4,000万円(相続税評価額)

※補正率・加算率は加味しておりません

相続税評価額が計算できたら、次に相続税を計算します。

相続税 = (相続税評価額 - 【1】基礎控除額) × 【2】税率 – 【3】控除額

【1】基礎控除は次のような計算方法で算出します。

3,000万円 + 相続人の数 × 600万円

【2】税率【3】控除額は、以下の通り、相続で取得する金額により段階的に増えていきます。

■相続税の早見表

法定相続分に応ずる取得金額 税率 控除額
1,000万円以下 10%
3,000万円以下 15% 50万円
5,000万円以下 20% 200万円
1億円以下 30% 700万円
2億円以下 40% 1,700万円
3億円以下 45% 2,700万円
6億円以下 50% 4,200万円
6億円超 55% 7,200万円

出典:国税庁「No.4155 相続税の税率」

表の通り、相続で取得する金額によって税率は上がりますが、同時に控除額も大きくなります。また、基礎控除によって大幅な減税の可能性もあります。詳しくは5-2でも解説しているので併せてお読みください。

なお、不動産売却の税金全般については以下の記事で詳しく解説しています。

不動産の売却で税金はいくらかかる?正しく税額を計算しよう

5.税金対策に有効な3つの手段

税金対策に有効な3つの手段

固定資産税の計算の項目で触れましたが、税金には減税措置という特例が設けられています。減税措置を利用することにより固定資産税や相続税を節税することができます。また、減税措置を利用しない税金対策方法も紹介していきます。

5-1.住宅用地の特例

土地の固定資産税は、土地に住宅が建っている場合には減税措置を受けることができます。これを住宅用地の特例と呼びます。

住宅用地の特例とは、住宅の敷地になっている土地の固定資産税が最大1/6になります。固定資産税が1/6になるのは土地面積200平米までの部分で、200平米を超えた部分の固定資産税は1/3になります。

住宅の敷地面積 固定資産税評価額の軽減率
小規模用土地(200平米以下) 評価額 × 1/6
一般住宅用地(200平米を超える部分) 評価額 × 1/3

なお、住宅用地の特例は都市計画税にも適用され、200平米までの部分が1/3になり、200平米を超える部分が2/3になります。この特例は土地上に住宅があれば永続的に固定資産税が減税されます。また、賃貸物件でも適用されるため、賃貸アパート・賃貸マンションでも利用可能です。

5-2.相続税の基礎控除

相続税は、基礎控除を利用することで大きく減額することが可能です。

基礎控除を決める計算式は以下の通りで、国が定めた「法定相続人」の数により控除される額が変動します。

3,000万円 + 600万円 × 法定相続人の数

法定相続人は、戸籍に基づいた血縁関係により決められており、亡くなった方の配偶者・子ども・兄弟姉妹などが該当します。そのため、遺言書などで血縁でない方が相続した場合は、法定相続人になりません。

たとえば、配偶者と子ども2人が5000万円を相続した場合、控除額と相続税の課税対象額は以下の計算になります。

3,000万円 + 600万円 × 3人 = 4800万円(控除額)
5,000万円 - 4,800万円 = 200万円(相続税の課税対象額)

もちろん、相続した遺産が控除額以下であれば、納税は不要となります。

5-3.売却の検討

不動産を所有し続けていると毎年の「固定資産税」、相続時には「相続税」が発生します。そのため、不動産を売却することが節税につながる可能性があります。

ただし、不動産を売却するときには、印紙税や登録免許税、譲渡所得税などが課税されることがあります。そのため、売却したときにどのくらいの金額が手元に残るのか計算しておく必要があります。

売却時の税金や手残り金額の算出は、不動産会社など、不動産売却のプロに相談すると適正な価格や節税のアドバイスをもらえるでしょう。

信頼できる不動産会社を探すなら、一括査定サイト「IELICO(イエリコ)」をぜひご活用ください。

IELICO あなたの不動産 いくらで売れる?

IELICO(イエリコ)」は、国内初の不動産の一括査定サービス「不動産売却HOME4U(ホームフォーユー)」での21年の実績を元にした審査基準をもとに、優良企業2,100社の中から利用者にとって最適な不動産会社を提案します。

また、12,500件以上の口コミから、自分に合う不動産会社を見つけることも可能です。査定を依頼する会社を探すなら、「IELICO(イエリコ)」をぜひご活用ください。

この記事のポイント

不動産評価額とは何か?
不動産評価額は文字通り不動産の価値を評価した金額です。固定資産税評価額・相続税路線価・公示地価・基準地価・実勢価格の5種類あり、それぞれ利用する目的やシーンが異なります。
詳しくは「1.不動産評価額とは」をご確認ください。
固定資産税の計算方法は?
固定資産税の計算方法は、固定資産税 = 固定資産税評価額 × 標準税率(1.4%)の計算式で算出します。
詳しくは「4-1.固定資産税の計算方法」をご確認ください。
税金対策に有効な方法は?

相続した不動産の税金対策に有効な方法は、主に以下の3つがあります。

  • 住宅用地の特例
  • 相続税の基礎控除
  • 売却の検討

詳しくは「5.税金対策に有効な3つの手段」をご確認ください。

この記事の編集者

IELICO編集部

家を利口に売るための情報サイト「IELICO(イエリコ)」編集部です。家を賢く売りたい方に向けて、不動産売却の流れ、税金・費用などの情報をわかりやすくお伝えします。掲載記事は不動産鑑定士・宅地建物取引士などの不動産専門家による執筆、監修を行っています。

運営会社情報(NTTデータスマートソーシング)

       

メディア 運営者情報

家を利口に売るための情報サイト「IELICO(イエリコ)」編集部です。

運営会社についてはこちら

カンタン1分入力

最大6社にまとめて 売却査定依頼

都道府県が選択されていません。

市区町村が選択されていません。

             

不動産評価額とは│5種類の調べ方や計算方法を解説

不動産評価額とは、その名の通り不動産を評価するものであり、資産価値の物差しとなる金額です。評価額は主に5種類あり、税金の計算に利用したり、土地取引の目安として利用したりと、それぞれ目的が異なります。