築30年の一戸建て売却を成功させるためには
- 築30年の一戸建ての価値はどう決まるか
- 築30年の一戸建てを売却する方法
- 築30年の一戸建てを売却するコツ
などのポイントをおさえて売却活動を進めるとよいでしょう。
本記事をお読み頂くことで、家の売却相場を把握し、自分に適した売却方法を判断できるようになることで、売却成功につなげることができるでしょう。
「売却を考えているけど、難しい話をたくさん読むのは苦手」「すぐに売却したい」という方は、この記事をざっくりと大枠で押さえた上で、まずは「IELICO(イエリコ)」を使って複数の不動産会社にまとめて売却査定を依頼してみることをおススメします。
1.築30年の一戸建ては土地の評価だけで価値が決まる

築30年が経過した一戸建ては土地の評価だけで価格が決まることは、国土交通省の「中古住宅流通、リフォーム市場の現状」内のグラフでも示されています。

「財団法人不動産流通近代文化センターのマニュアルに基づく試算」のグラフを見ると、築10年頃までは、築年数が1年経過するごとに5%ほど価値が下がっていることが分かります。
築10年以降も下落を続け、築20年を過ぎたあたりで住宅の価値は20%を下回り、10%程度の価値で横ばいに推移しています。
土地の価値が大きく変化することはあまりないことを考えると、このデータから、築20年を過ぎたあたりで建物の価値はほとんどなくなり、以降は土地のみで価格が決まることが分かります。
2.築30年の一戸建てを売却する方法

築30年の一戸建て売却の方法は次の5つがあります。
- 古家付き土地で売る
- 更地にして売る
- リフォームして売る
- 空き家バンクを使う
- 不動産買取を利用する
それぞれの方法について、ポイントを解説します。
2-1.古家付き土地で売る
建物を残した状態の古家付き土地として売る方法があります。
古家付き土地として売れば解体やリフォームの必要がないので、売却にかかる費用をおさえることができます。また、買い手は住宅ローンを組めるので、幅広い層から買い手を探せます。
ただし、古家付き土地は購入後に買い手が解体やリフォームなどの費用を負担しなければならないため、高値での売却は難しくなります。
2-2.更地にして売る
建物を解体して、更地にしてから売る方法もあります。
建物の損傷や老朽化が進んでいると、売り出してもなかなか買い手は見つかりません。それよりも解体して更地にしたほうが、買い手は購入後のイメージがしやすくなります。
その反面、更地にするための解体費用の負担が大きくなります。建物の状態がよければ更地にするよりも高く売れる可能性があるので、「どちらが手元に残るお金が大きいか」を考えて判断しましょう。
解体費用について詳しくは『 家の解体費用の相場|費用を抑える方法と解体前に注意しておきたいポイント! 』をご覧ください
2-3.リフォームして売る
内装を変えることで価値がつきそうであれば、リフォームして売るのも一つの手です。
築年数が経過していても、リフォームやリノベーション済みであれば購入したいと考える人は増えています。そのため、リフォームすることで買い手が集まりやすくなります。
ただし、リフォームする際はリフォームし過ぎないように注意してください。
リフォームしたからと言って必ずしも市場の好みや需要と合致するわけではありません。
リフォームしたぶん高値で売却しないと損をしてしまいます。負担を増やさないためにも、リフォームする前に不動産会社に相談して意見を聞いてみましょう。
2-4.空き家バンクを使う
不動産会社を介した売却が難しい場合は、空き家バンクを活用しましょう。
空き家バンクとは、空き家を売りたい人と買いたい人が集まるマッチングサイトです。地方自治体が運営しているので安心して利用できます。
空き家バンクの良さは、不動産会社が受けてくれないような空き家でも掲載できることと、無料で利用できることです。間に仲介会社を挟まないので、手数料を支払う必要もありません。
注意点は、全国どこでも利用できるわけではなく一部の地方自治体でしか運営されていないことです。そのため、空き家バンクの利用を検討するなら、まずは売りたい物件があるエリアで空き家バンクが運営されているか確認するようにしてください。
2-5.不動産買取を利用する
仲介ではなく、不動産買取という方法もあります。
不動産買取は、不動産会社が物件を買い取ります。買取に対応している不動産会社と条件が合えば、確実に売却できるのが大きなメリットです。
また、売却先が不動産会社なので内覧や広告活動が必要なく、短い期間で売却を完了できます。ただし、買取は仲介よりも価格が下がることがある点に注意してください。
買取の価格については関連記事でも詳しく紹介しています、ぜひ併せてお読みください。
3.築30年の一戸建てを売却するコツ

築30年の一戸建てを売却する場合、次の4つのコツをおさえておきましょう。
- 査定を依頼する前に自分で相場を調べる
- 家財は撤去してから売る
- ホームインスペクションを依頼する
- 築年数が古い一戸建ての売却が得意な不動産会社を選ぶ
それぞれのコツについて、具体的に解説します。
3-1.査定を依頼する前に自分で相場を調べる
不動産査定を依頼する前に、自分で相場を調べましょう。
不動産査定は各会社によって査定基準が異なります。査定額にも大きな差があるため、「査定額が妥当なのか」を判断するためにご自身で相場を調べ、判断基準を持っておくことが大事です。
ご自身で相場を調べる方法は、「レインズ・マーケット・インフォメーション」もしくは「土地総合情報システム」のいずれかの方法があります。
どちらも過去の不動産取引事例を元に物件の相場を把握できるサイトです。あくまで当時の売却価格ですので査定額を見極める際の参考程度と考えてご活用ください。
3-2.家財は撤去してから売る
家財は撤去してから売るようにしましょう。
築30年の一戸建ての場合、家財が残った状態だと不動産会社が取り扱ってくれない可能性があります。購入後に処分する必要があるため、手間と費用がかかってしまうからです。
また、不動産会社が購入後に解体して更地で売却することを考えていた場合、解体を請け負う会社は家財を処分できないため、解体工事を依頼することができなくなってしまいます。
上記の理由から、不動産会社に断られてしまう可能性があるため、家財は撤去してから売りに出すようにしましょう。
3-3.ホームインスペクションを依頼する
古い家の売却では、ホームインスペクションを依頼しましょう。
ホームインスペクションとは「住宅診断」のことです。
専門の会社に依頼し、物件に雨漏りや傾きなどの問題がないか、調査しアドバイスをしてくれます。
築30年が経過していると建物になんらかの問題が起きている可能性が高いですし、買主も気にする場合が多いです。
少しでも物件の価値を証明でき、高値で購入してもらえるように、ホームインスペクションを活用しましょう。
3-4.築年数が古い一戸建ての売却が得意な不動産会社を選ぶ
不動産会社に売却を依頼する際は、築年数が古い一戸建ての売却が得意な会社を選びましょう。
不動産会社ごとに得意分野は違います。特に築年数が古い一戸建ての売却は、通常の売却よりも買い手探しの難易度も高くなります。その分、不動産会社の担当者のスキルが売却の成功を左右しますので、実績のある会社に依頼するようにしてください。
安心して任せられる不動産会社を探すなら、不動産一括査定サイト「IELICO(イエリコ)」の利用がおすすめです。
「IELICO(イエリコ)」は、国内初の不動産の一括査定サービス「不動産売却HOME4U(ホームフォーユー)」での21年の実績を元にした審査基準を設けているので、利用者にとって最適な不動産会社を提案してくれます。
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その他、12,500件以上の口コミから、自分に合う不動産会社を見つけることが可能です。査定を依頼する会社を探すなら、「IELICO(イエリコ)」をぜひご活用ください。
4.築30年の一戸建てを売却する際の注意点

築30年の一戸建て売却を行う際は、以下の点に注意しましょう。
- 土地の境界線をはっきりさせる
- 契約不適合責任を免責できるか確認する
- 固定資産税が上がるタイミングをずらして売る
それぞれの注意点について、詳しく解説します。
4-1.土地の境界線をはっきりさせる
売却する前に土地の境界線をはっきりさせましょう。
築30年の一戸建てだと、隣家との土地の境界線がはっきりしていないこともあるでしょう。
土地の境界線が曖昧な状態だと土地の売却はできませんので、売却前に明確にする必要があります。
土地の境界線を明らかにする方法は、土地家屋調査士に依頼すれば確定測量を行ってくれます。売却価格に影響するため、測量が必要な場合は早めに依頼して確定させてください。
4-2.契約不適合責任を免責できるか確認する
築30年の古い家を売却する時は、契約不適合責任を免責できるか確認してください。
契約不適合責任とは、売買契約の締結後、契約書に記載しておらず買主も認識していない物理的瑕疵などの問題が見つかった場合、売主が責任を負う契約です。
例えば、売却した後にシロアリが発覚した場合、契約書に記載がないと修繕工事などを売主が負担しなければならなくなります。
築30年が経過した一戸建てだと売却後に物件の状態について問題が発生する可能性は高いため、契約不適合責任を免責にする内容で契約を取り交わしましょう。また、必ず契約書に記載し買主と相互認識がある状態にしてください。
4-3.固定資産税が上がるタイミングをずらして売る
築30年の一戸建てを更地にして売却する場合、注意して頂きたいのが、固定資産税が上がるタイミングをずらして売ることです。
土地の上に建物が立っている場合、住宅用地の固定資産税が6分の1に減税される制度が適用されています。この制度は、1月1日時点で土地の上に建物が立っているかで判断されます。
更地にして売る場合、1月1日よりも前に解体してしまうと減税制度が適用とならなくなるので、固定資産税を最大で現状の6倍支払わなければならなくなります。
ですので、更地にして売却する場合は必ず1月1日を過ぎてから解体してください。
この記事のポイント
- 古家付き土地で売る
- 更地にして売る
- リフォームして売る
- 空き家バンクを使う
- 不動産買取を利用する
詳しくは「2.築30年の一戸建てを売却する方法」をご確認ください。
- 査定を依頼する前に自分で相場を調べる
- 家財は撤去してから売る
- ホームインスペクションを依頼する
- 築年数が古い一戸建ての売却が得意な不動産会社を選ぶ
詳しくは「3.築30年の一戸建てを売却するコツ」をご確認ください。
- 土地の境界線をはっきりさせる
- 契約不適合責任を免責できるか確認する
- 固定資産税が上がるタイミングをずらして売る
詳しくは「4.築30年の一戸建てを売却する際の注意点」をご確認ください。
この記事の編集者

IELICO編集部
家を利口に売るための情報サイト「IELICO(イエリコ)」編集部です。家を賢く売りたい方に向けて、不動産売却の流れ、税金・費用などの情報をわかりやすくお伝えします。掲載記事は不動産鑑定士・宅地建物取引士などの不動産専門家による執筆、監修を行っています。
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