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住宅ローン返済中の家を売るには?売却方法や離婚・引越し時の注意点・完済できない時の対処法

最終更新日:2025.02.27

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住宅ローン返済中の家を売るには?売却方法や離婚・引越し時の注意点・完済できない時の対処法

「住宅ローン中に家を売るにはどうしたらいい」「離婚や引越しで住宅ローン中の家を手放したい」そう思っても本当に実行ができるのか、悩んでいる方も多いのではないでしょうか。

結論をいうと、住宅ローンが残っている状態でも、家の売却は可能です。

ただし、売却後の返済や資金計画などをよく考えて取り組んでいく必要があります。

住宅ローンの返済中でも家を売りたい方や、離婚時の売却で注意すべきことを知っておきたい方はぜひ参考にしてください。

【入門編】不動産売却の全知識|基本からわかりやすく解説!

家を売るならまずやるべきこと│高く売る3つのコツとは

目次

35年住宅ローンの途中でも家は売れる?

35年住宅ローンで組んだ家は、返済途中でも売却できます

ただし、住宅ローン中の家を売却するには、完済して抵当権を抹消する必要があります。

抵当権とは、住宅ローンを返済できなかったときに備えて不動産を担保にする権利です。

住宅ローンの利用時に原則融資を行った金融機関を抵当権者として設定しなければいけません。

抵当権は非常に強力な権利ですが、あくまでも引き渡しまでに抹消を行えば問題ありません。

一括返済できなくても、売却代金を住宅ローンの完済に充てれば解決できます。

住宅ローン中の家を売るならまず現状を知る

住宅ローン中の家を売却したい場合、まず現状を知るのがポイントです。

  • 住宅ローンの残債を確認する
  • 売却額がいくらになるか査定する

住宅ローンの残債や売却時の査定額を把握すると、一括返済できるか、できないか判断ができます。

住宅ローンの残債を確認する

住宅ローンの残高は、金融期間から発行される返済予定表を通して確認できます。

しかし、繰り上げ返済などを行っていた場合には、内容の変更が反映されていない可能性も考えて、金融機関に照会するのが確実です。

売却計画を立てるうえでは、正確な残高を把握する必要がありますので、金融機関の窓口を通して最新の状況をチェックしておきましょう。

なお、インターネットバンキングなどに加入している方は、インターネット上で確認することもできます。

住宅ローン残高の確認方法は4つ!確認が必要なタイミングも詳しく解説

売却額がいくらになるか査定する

住宅ローン残高(残債額)を確認したら、所有している家がいくらで売却できるか査定をしましょう。

査定は、売買を仲介してくれる不動産会社に依頼するのが一般的ですが、まずは下記サイトを利用して、自分で相場を把握しておくのがおすすめです。

サイト名 サイトでわかること
レインズマーケットインフォメーション 国土交通省指定の不動産流通機構が運営。

全国の中古戸建てやマンションの成約価格を築年数・エリア・成約時期などの条件別で調査できる。

土地総合情報システム 国土交通省の運営サイト。

不動産購入者へ実際にアンケートを行って収集した取引価格を閲覧できる。

中古住宅専門サイト(中古住宅HOME4U) 不動産会社各社が運営する、中古住宅情報のサイトでも相場を調べられる。

実際に成約した金額ではなく売却希望価格が掲載されている。

売却を急いでいる場合は、複数の不動産会社に一括で査定を依頼できる「IELICO(イエリコ)」などのサイトを活用しましょう。

「IELICO(イエリコ)」は、大手企業から地域密着型の企業まで、全国約2,100社と提携しています。

複数の優良企業から査定価格をまとめて取り寄せられるので、信頼できる不動産会社を探したい方はぜひ活用してください。

不動産査定の具体的な方法・費用・気を付けたいポイント

オーバーローンの家の売却方法

オーバーローンとは家の売却代金が住宅ローン残債より少額で、売却代金を用いて住宅ローンを完済できない状態です。

オーバーローンに陥ってしまう場合は、不足する資金を手当てする何らかの対処を検討し、方針を決める必要があります。

引き渡しまでに完済できるように、資金を補う手続きを進めなければなりません。

家の売却代金で住宅ローンが完済できないときの対処法は、以下のとおりです。

  • 貯蓄を返済に充てる
  • 住み替え(買い替え)ローンを利用する
  • 任意売却を選ぶ

対処法によって、メリット・デメリットや実行の難易度は異なります。

貯蓄を返済に充てる

もっともシンプルな方法は、預貯金などの自己資金で差額を埋め合わせる方法です。

住宅ローン残債と売却代金との差額がそれほど大きくない場合は、貯蓄を切り崩すと問題なく売却を進められるケースが多いです。

しかし、不動産を売却する際には各種手数料や税金などの実費がかかるので、その分の費用は手元に残しておく必要があります。

また、売却後の生活を考慮するうえでも、ある程度の自己資金はとっておきたいものです。

そのため、差額と自己資金のバランスに目を向けながら、慎重に検討しましょう。

住み替え(買い替え)ローンを利用する

旧居を売却して新居へ住み替えを行う場合には、住み替えローンの利用によって、オーバーローンでも売却できる可能性があります。

住み替えローンとは、マイホームの買い換え時に返済しきれなかった旧居のローン残債を新居購入時の新規ローンに上乗せする方法です。

住宅ローンだけが残った家でも、住み替えローンを利用するメリットは以下のとおりです。

  • 今よりも好条件の住宅ローンに組み替えられる可能性がある
  • 手持ち資金がなくても住み替えられる

しかし、借入額が大きくなるため、当然ながら住み替え後の住宅ローンの負担が膨らんでしまいます。

また、借入額が増えると、融資の審査基準も厳しくなるので、収入や借入時年齢、完済年齢などが原因でそもそも利用できないケースもあります。

住宅ローンが残っていても利用できる「住み替えローン」とは

任意売却を選ぶ

「任意売却」とは、住宅ローンの返済が滞ってしまったときに、金融機関の合意を得て差し押さえ前に売却を済ませる方法です。

オーバーローンで他の方法で解決できない場合、最終的には任意売却が有効な選択肢となります。

任意売却には、以下のメリットがあります。

  • 差し押さえや競売を免れる
  • 競売よりも高い価格で売却できる
  • リースバック(※)なら自宅に住み続けられる
  • 持ち出し資金が不要
  • 滞納税金や諸費用を売却代金から控除できる

※リースバックとは、買い取ってもらい新たに賃貸契約を結んで売却後も住み続ける方法

その一方で、任意売却には以下のデメリットも存在します。

  • 売却価格や販売期間は自由に設定できない
  • 連帯保証人の同意や協力が必要
  • 確実に売れるとは限らず競売になるリスクがある
  • 任意売却後の残債は返済しなければいけない

任意売却はローンが払えない時におこなう方法なので、売却できたとしても代金のほとんどはローン返済に充てられ、かつ物件も手放してしまうことになります。

ただし、返済ができないままの状態を放置すると、最終的には差し押さえ・競売へと手続きが進んでしまいます。

任意売却は短期間での売却を意識しますが、競売は入札が開始されるまで滞納から1年半ほどかかるため、長く住める可能性があります。

ただし、市場価格での売却が見込まれる任意売却に対し、競売の売却価格は市場価格の50%〜70%ほどです。

インターネットなど(官報)に物件の詳細情報が記載されるのでプライバシーの保護はなく、知り合いにバレる可能性があります。

法的な力が強いので債務者に交渉の余地がなく、退去日の交渉の余地がある任意売却に対し、競売は催告の日時に強制執行され、拒否できません。

任意売却とは?実際の流れや競売との違いをわかりやすく紹介

住宅ローンの支払いが苦しい!原因と今からできる対処法を詳しく解説

アンダーローンの家の売却方法

アンダーローンとは家の売却代金が住宅ローン残債より高額で、代金を用いて住宅ローンを完済できる状態です。

アンダーローンの場合の売却手順は、以下のとおりです。

  1. 査定依頼
  2. 媒介契約を結ぶ
  3. 買い主を募る
  4. 内覧対応
  5. 売買契約を交わす
  6. 決済・引き渡し

記事の冒頭でも解説したように、住宅ローンが残っている物件を売る際には、引き渡しまでに残債の返済と抵当権抹消登記の手続きを済ませておく必要があります。

本来であれば、住宅ローンを預貯金などで返済してから売却手続きに入るのが望ましいですが、残債を自己資金で支払えるケースはそれほど多くありません。

アンダーローンの場合は、引き渡し当日にまとめて売却とローンの完済を行う方法で売却手続きを進めます。

具体的には、引き渡し日に金融機関の担当者と司法書士が同席して、住宅ローンの完済と抵当権抹消登記手続き、物件の引き渡しをまとめて済ませてしまうという方法です。

ローン中の家を売る際に使える税金特例

住宅ローン中の家を売却する際、オーバーローンとアンダーローンで税金特例が適用されるケースがあります。

オーバーローン時の税金特例 居住用財産に係る譲渡損失の損益通算及び繰越控除の特例
アンダーローン時の税金特例
  • 3,000万円特別控除の特例
  • 10年越え所有軽減税率の特例

税金特例を利用するには、適用要件を満たす必要があります。

オーバーローンの場合に使える税金特例

オーバーローンで売却損が出た場合は、確定申告で申請することで「居住用財産に係る譲渡損失の損益通算及び繰越控除の特例」を利用できるケースがあります。

損益通算 家の売却損を他の所得と合算できる特例
繰越控除 損益通算で相殺しきれなかった分の売却損を翌年以降3年間にわたって繰り越す特例

損益通算は、売却損の分だけ他の所得が少なくなるため、所得税と住民税が安くなります。

「居住用財産に係る譲渡損失の損益通算及び繰越控除の特例」は、以下のような適用要件を満たす必要があります。

  • マイホームを売却すること
  • 売却した年の1月1日時点で、所有期間が5年を超えていること
  • 売却した物件について、売買契約日の前日までにおいて住宅ローンが10年以上の残っていること
  • 物件の売却代金がローン残債を下回っていること など

アンダーローンの場合に使える税金特例

売却益が発生した場合は、売却益に対して譲渡所得税(所得税と住民税)がかかります。

譲渡所得税は20.315%~39.63%の税率がかかる高い税金ですが、以下の特例で節税が可能です。

  • 3,000万円特別控除の特例
  • 10年越え所有軽減税率の特例

ただし、アンダーローン状態でも売却損が出た場合は、前項で解説した「居住用財産に係る譲渡損失の損益通算及び繰越控除の特例」を利用できます。

3,000万円特別控除の特例 売却益(譲渡所得)を最大3,000万円まで控除できる。
10年越え所有軽減税率の特例 所有期間が10年を超えている家を売却した際に適用できる軽減税率。

譲渡所得税率を14.21%にできる

住宅ローン中の家を売る際のポイント

住宅ローン中の家を売却する際、以下のポイントを押さえておきましょう。

  • 売却や一括返済にかかる費用を把握しておく
  • 売却のコツを理解する
  • 仲介と買取の違いを理解する

売却や一括返済にかかる費用を把握しておく

売却や一括返済にかかる費用は、以下のとおりです。

仲介手数料 200万円以下の部分:5.5%

200万円越〜400万円以下の部分:4.4%

400万円越:3.3%

抵当権抹消登記の費用 自分で行う場合:登録免許税1,000円

司法書士に依頼する場合:1万5,000円前後

住宅ローンの一括返済手数料 0円〜5万5,000円
譲渡所得税・住民税 短期譲渡所得:所得税30%・住民税9%

長期譲渡所得:所得税15%・住民税5%

※基準所得税額×2.1%の復興特別所得税もかかる

印紙税 200円〜60万円
ハウスクリーニングの費用 数万円〜十数万円
引越し費用 10万円ほど〜

上記に記載している仲介手数料は上限額であり、不動産会社によって設定されている手数料は異なります。

不動産会社が直接買い取る場合は、仲介手数料がかかりません。

印紙税は、売却価格によって変動し、記載金額が10万円を超えるもので平成26年4月1日から令和9年3月31日までの契約なら軽減措置が適用されます。

ハウスクリーニング費用や引越し費用は、必ずしもかかる費用ではありませんが、売却率を高めたい場合やスムーズに引っ越したい場合に備えておくといいでしょう。

売却のコツを理解する

不動産売却を成功させるためには、いくつかコツを理解しておくのが大切です。

  • 家の相場を知る
  • 信頼できる不動産会社を選ぶ
  • 家の印象をアップさせる

売りに出す前に、自分の家の相場を調べておくと、高過ぎず低過ぎない売出価格を設定できます。

あらかじめ値下げ交渉に応じられるように、相場よりも少し高値で売り出す戦略も可能です。

家を高く早く売るには、信頼できる不動産会社によるサポートが必須です。

不動産会社探しでは、担当スタッフの対応が手厚いか、売却実績が豊富かなどを確認しましょう。

また、ハウスクリーニングや住宅設備の修理など、少しでも家の印象を高めると、売却成功率がアップします。

不動産会社によっては、プロによるインテリアコーディネートをもとに、ホームステージングを行っているところがあります。

買主希望者は、生活動線をイメージしやすくなるので、購買意欲が高まる効果が期待できるでしょう。

不動産売却を成功させるコツ│査定方法や不動産会社選びが重要

離婚で住宅ローン中の家を売却する際の注意点

住宅ローンを返済中の家を売る理由のひとつに、離婚が挙げられます。

離婚で住宅ローン中の家を売る際の注意点は、以下のとおりです。

  • 住宅ローン残債の財産分与と対策
  • ペアローン(共有名義)は解消が難しい
  • 離婚した事実だけでは連帯保証人は解除されない

注意点1】住宅ローン残債と財産分与の仕組みを知る

離婚の際、夫婦の共有財産を分け合う「財産分与」の手続きを行うのが一般的です。

共有財産に住宅ローンの残債がある場合どうなるのかというと、原則としてマイナスの財産は分与の対象になりません

「財産分与の対象にならない」ということは、離婚後も住宅ローンの名義人に支払い義務があるということになるため、清算方法を考えねばなりません。

住宅ローンの残債があって離婚する場合は、下記のような対策があります。

  • 家を売却して現金化して返済する
  • どちらか一方が住んで住宅ローンの支払いを続ける

アンダーローンであれば、返済して残った金額を分け合えば問題ありません。

しかし売却しても完済できないオーバーローンの場合は、自己資金の投入や住み替えローンを検討する必要があります。

子どもの養育環境を変えたくないなどの理由で、どちらかが住み続ける方もいるでしょう。

住宅ローンを支払い続ける場合、どちらが名義人として支払いを続けるかはっきり決めておく必要があります。

「住宅ローンがあるけど離婚したい」は可能?すぐできる対策と売却のポイント

注意点2】ペアローン(共有名義)は解消が難しい

夫婦共働きの場合、共有名義、いわゆるペアローンで住宅ローンを組んだ方もいるでしょう。

ペアローンは、夫婦それぞれで住宅ローンを組むため、単独ローンよりも借入額が膨らみやすいという特徴があります。

そのため、返済期間が短いと残債が多くオーバーローンとなり、やむを得ず任意売却を行うケースがあります。

また、ペアローンの場合、2人の経済力を合算して購入しているため、どちらか一方に名義を一本化したくても、収入が足りずに銀行から断られてしまうおそれがあるでしょう。

任意売却や借り換えを行う際には、金融機関の許可が必須となります。

離婚が決まったら売却か借り換えかを検討し、なるべく早めに住宅ローンの窓口への相談がおすすめです。

共有名義の不動産売却│売却の選択肢やトラブル回避のコツ

注意点3】離婚した事実だけでは連帯保証人は解除されない

夫婦が住宅ローンを利用し家を購入した場合、連帯保証や連帯債務となっているケースがあります。

連帯保証とは債務者が支払えなくなったときに代わりに支払う契約で、連帯債務とは1つのローンを複数の債務者それぞれが全額返済する契約のことです。

離婚の際、支払者が引き続き返済しても連帯保証人のままでいると、万が一、住宅ローンの支払いが滞納した場合、突然連帯保証人に債務の責任を負わなければいけない危険性があります。

住宅ローン上の契約では、離婚したからと自動的に連帯保証人や連帯債務者の責任が解消されることはありません

連帯保証人から外れるためには、以下の3つの対策があります。

  • 住宅ローンを借り換える
  • 連帯保証人を他の人に替える
  • 売却する

そもそも単独で住宅ローンを組むのが難しい点をカバーするために連帯保証人をつけているので、単身での借り換えは難航するおそれがあります。

代わりの連帯保証人を立てようとしても、代理人がなかなか見つからない場合もあるでしょう。

住宅を売却する際、まずはオーバーローンかアンダーローンかを見極める必要があります。

「IELICO(イエリコ)」などの査定サービスを利用すれば、まとめて複数社に依頼できるため、納得できる査定額を提示してくれる不動産会社をスピーディーに見つけられます。

売却できない場合を考慮し、どちらか一方が住み続けるかも検討しておきましょう。

離婚したら妻は住宅ローンのある家に住むべき?検討するうえでの注意点

住み替えで住宅ローン中の家を売却する際の注意点

住み替えで住宅ローン中の家を売るときの注意点は、以下のとおりです。

  • 売り先行か買い先行かを決める
  • 住み替えローンを組む際は綿密な返済計画を立てる
  • 新居が住宅ローン控除や住まい給付金の対象になるか

注意点1】売り先行か買い先行かを決める

売り先行は、今の家を売却してから新居を購入する方法です。

今の家の売却、新居の売買契約、資金調達、新居の引き渡しの流れで住み替えが完了します。

買い先行は、新居を購入してから今の家を売却する方法です。

新居の売買契約、資金調達、新居の引き渡し、今の家の売却が流れとなっています。

売り先行と買い先行でそれぞれメリット・デメリットがあるため、それを理解したうえでどちらにするか決めましょう。
売り先行のメリットとしては、下記が挙げられます。

  • 売却後の利益を新居購入費に充てられる
  • 資金計画が立てやすい

一方、売り先行のデメリットは下記の通りです。

  • 仮住まいが必要になる
  • 引越し費用が2回分かかる

今の家を売ってから手元にどれくらいお金が残るかが明確になるため、新居の購入資金の予算を決めやすいメリットがあります。

売却しても住宅ローン残債を完済できる見込みがない場合は、新居の購入を先送りにするなど、リスクを回避できる点もメリットです。

ただし、売却して引き渡し時には退去しなければいけないため、新居が見つかるまで仮住まいが必要です。

今の家から仮住まい、仮住まいから新居と、引越し費用が2回分かかる点も考慮する必要があります。

買い先行のメリットとしては、下記が挙げられます。

  • 仮住まいが必要ない
  • 家探しに時間をかけられる

一方、買い先行のデメリットは下記の通りです。

  • 新居購入の資金計画が立てにくい
  • 新居の住宅ローン審査が通りにくい

先に新居を見つけてから今の家を売却する場合、仮住まいが必要なく、売却までの新居探しに時間をかけられます。

引越し費用も1回分で済むので、トータルコストを抑えられる点がメリットです。

ただし、売却後に手元にお金が残る保証はないため、新居購入にかけられる予算が明確になりにくいです。

新居の住宅ローンの審査を申し込むと、今の家の住宅ローンを組んでいる状態なので、審査が通りにくいデメリットがあります。

注意点2】住み替えローンを組む際は綿密な返済計画を立てる

住み替えローンを組むとき、新居購入にかかる費用だけではなく、売却にかかる費用も考慮しなければいけません。

住み替えローンの利用は、これまでの住宅ローンの返済計画が大きく変更されるのを意味するため、今後の教育資金や老後資金も考えておく必要があります。

長期的な視点で、無理のない返済計画を立てるのがポイントです。

住み替えローンを組んでも無理なく返済を続けられるか不安な方は、ファイナンシャルプランナーなどのお金のプロに相談しましょう。

注意点3】新居が住宅ローン控除や住まい給付金の対象になるかチェック

制度 概要 要件
住宅ローン控除 毎年の住宅ローン残高の1%を10年間または13年間、所得税・住民税から控除
  • 自ら居住する
  • 床面積が50m2以上である
  • 中古住宅の場合耐震性能を有している
  • 合計所得金額が3,000万円以下である
  • 借入金の返済期間が10年以上である
住まい給付金 消費税が10%の住宅を購入で引き上げによる負担を軽減するため現金を給付
  • 住宅を取得し登記上の持ち分を保有するとともにその住宅に自分で居住する
  • 収入が一定以下である
  • 住宅の購入価格に引き上げ後の消費税率が適用される
  • 床面積が50m2以上である
  • 第三者機関の検査を受けた住宅である

参考:国税庁「No.1212 一般住宅の新築等をした場合(住宅借入金等特別控除)」

参考:国土交通省「すまい給付金の概要」

新居を購入すると、さまざまな公的制度を利用できる可能性があります。

ただし、必ずしもすべての住宅で適用されるわけではなく、前回の家で適用されたのに新居は適用されないケースも考えられます。

そのため、住宅ローン控除やすまい給付金が適用される物件であるか確認しながら、新居探しを行いましょう。

ローン中の家を賃貸に出す場合の注意点

注意点1】ローン中の居住用物件は原則そのまま貸せない

住宅ローン中の家は、一括返済しなければ、原則そのまま賃貸に出せません

住宅ローンの用途は、契約者本人が家を購入するための資金融資なので、賃貸住宅としての用途には該当しません。

金融機関に内緒で賃貸住宅として貸した場合、バレるとすぐ一括返済が要求されます。

住宅ローン中の家を賃貸にしたいときは、以下の方法を実施する必要があります。

  • 住宅ローンを一括返済する
  • 賃貸用ローン(事業用ローン・アパートローン)に借り換える

ただし、住宅ローン中でもそのまま賃貸住宅として扱えるケースもあるため、自分が例外に該当するか確認しましょう。

そのまま貸せる例外ケース

以下のケースでは、住宅ローンの支払いを継続しながら賃貸住宅として扱えます。

  • 転勤などのやむを得えない事情
  • 自宅部分と賃貸部分を併用する場合

例外ケースに該当する場合でも、住宅ローンの契約継続は、金融機関への交渉が必要です。

転勤などのやむを得ない事情が認めてもらえれば、そのまま貸せる可能性がありますが、一定期間で家に戻れるのを条件として提示されるケースが多いです。

自宅部分と賃貸部分を併用して貸すときは、自宅部分のみで住宅ローンの一部を利用できます。

賃貸併用住宅として扱う際、入居者とのトラブルや自宅スペースが狭くなるのを考慮する必要があります。

注意点2】賃貸用ローン(事業用ローン・アパートローン)は高金利で諸費用がかかる

賃貸用ローンにかかる金利は、住宅ローンよりも高く設定している金融機関が多いです。

さまざまな金融機関の住宅ローンと賃貸用ローンの店頭金利(3年固定)は、以下のとおりです。

金融機関 住宅ローン金利(2025年1月適用) 賃貸用ローン(2025年1月適用)
オリックス銀行 年3.6% 年3.6%
SMBC信託銀行 年2.26% 年2.91%
三井住友信託銀行 年4.00% 年4.10%

住宅ローンと賃貸用ローンを同じ金利で提供しているところもありますが、ほとんどの金融機関では賃貸用ローンの方が店頭金利を0.1%〜0.7%ほど高く設定しています。

賃貸用ローンへの借り換えにかかる手数料や諸費用は、以下のとおりです。

項目 概要 費用の目安
繰上返済手数料 住宅ローンの一括繰り上げ返済の手数料 0円〜55,000円ほど
保証会社への事務手数料 保証料の返金にかかる手数料 11,000円ほど
抵当権抹消費用 住宅ローン完済後に抵当権の抹消にかかる税金 土地と建物それぞれ1,000円

司法書士に依頼すると10,000円~15,000円ほど

ローン借入時の事務手数料 賃貸用ローンの利用にかかる事務手数料 借入金の2.2%、または110,000円など金融機関によって異なる
保証料 保証会社を通すときの保証料 33,000円ほど、または借入金の1.70%~2.50%などと金融機関によって異なる

金利上乗せできる場合もある

印紙税 借り入れ時の契約書作成にかかる税金 200円~60万円

賃貸ローンへの借り換えでかかる手数料は、不動産の売買価格や金融機関によって異なります。

少しでも初期費用を抑えたい場合は、手数料や保証料を安く設定している銀行に相談しましょう。

注意点3】賃貸化後の管理方法や資金計画を明確にする

賃貸住宅は、家賃収入を得られるメリットに対し、適切な管理や維持費がかかるデメリットがあります。

賃貸化したいときは、賃貸用ローンの支払いを継続しながら、賃貸住宅の管理や維持に費用をかけられるか考えなければいけません。

不動産経営以外に、本業がある方は、1人で管理するのが難しいため、管理会社に委託するのが一般的です。

もちろん管理委託料がかかり、そのほかさまざまな費用がかかります。

管理委託料 家賃の5%〜15%
仲介手数料 家賃の50〜100%
火災・地震保険料 戸建て年間4万円ほど

マンション年間4,000円〜5,000円ほど

清掃費や修繕費 回収賃料の5%ほどを積立
固定資産税 固定資産税評価額の1.4%
都市計画税 固定資産税評価額の0.3%
所得税 所得×累進税率

入居者が決まったら、不動産会社に仲介手数料を支払う必要があります。

清掃費や修繕費は、前回の入居者が退去して、次の入居者が引っ越してくる前にかかる費用です。

小さいお子さんやペットがいる家庭に貸す場合は、多額の清掃費や修繕費に備えて、積立額を高く設定しておきましょう。

住宅ローン返済中の家を売るポイントをおさらい

住宅ローン中の家でも売却は可能ですが、住宅ローンを完済する必要があります。

売却価格が住宅ローン残債を上回れば問題ありませんが、売却後も残債がある場合は、以下の方法を取らなくてはいけません。

  • 売却金額と貯蓄で完済する
  • 住み替えローンを利用して売却する
  • 任意売却をする

夫婦でペアローンを利用して家を購入した場合、離婚したときに共有名義の解消や、連帯保証人の解除が難しいのも考慮する必要があります。

住み替えを目的に家を売却したい際も、売却後の利益を購入資金に充てられるか、住宅ローンを完済できるかがポイントとなります。

家を売却する理由に関わらず、まずは今の家の査定額を知ってから計画を立てましょう
どの不動産会社に依頼しようか迷ったときは、一括査定サイト「IELICO(イエリコ)」がおすすめです。

この記事の編集者

IELICO編集部

家を利口に売るための情報サイト「IELICO(イエリコ)」編集部です。家を賢く売りたい方に向けて、不動産売却の流れ、税金・費用などの情報をわかりやすくお伝えします。掲載記事は不動産鑑定士・宅地建物取引士などの不動産専門家による執筆、監修を行っています。

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住宅ローン返済中の家を売るには?売却方法や離婚・引越し時の注意点・完済できない時の対処法

住宅ローンが残っている家を売却したい場合、まず何から始めればよいのでしょうか。残債の確認や査定、金融機関への連絡、オーバーローンだった場合の対策など、住宅ローン中の家を売却するための基礎知識や、買い替えや離婚で売却する際の注意点について紹介します。