しかし、仲介業が具体的にどのようなサービスなのか把握されていない方も多いのではないでしょうか。この記事では、
- 不動産仲介とはどのようなサービスなのか
- 利用するメリット
- 不動産仲介業者の選び方
などについて解説しています。
「不動産を売るのに仲介会社は本当に必要?」「不動産会社が多すぎて選べない」など、疑問や不安を感じている方は最後までお読みいただき、ベストな仲介会社を見つける参考になさってください。
目次
1.不動産仲介業者とは

不動産仲介業者とは、売主と買主、あるいは借主と貸主の間を取り持ち、契約までの業務を行う会社を指します。
具体的には、不動産の販促活動、内見などの物件案内、契約書類の作成から契約締結、不動産の引き渡しまでをサポートします。
不動産取引自体は仲介業者を挟まず個人間で行うことも可能ですが、契約書の作成は専門的な知識が必要であり、高価格の取引が多いため不動産仲介業者に依頼するのが安心といえます。
1-1.不動産仲介の基本的な仕組み
不動産仲介の仕組みの前に、不動産取引の種類について知っておきましょう。
不動産仲介には、売買仲介と賃貸仲介の2種類があります。
売買仲介とは
不動産を売却もしくは購入したい人の仲介を行う仕事です。主な業務内容としては、売り手を見つけるための営業活動や不動産査定、買い手探しのための広告活動、契約やローン審査の手続き、これらに必要な書類作成など多岐に渡ります。
賃貸仲介とは
不動産を借りたい人と貸したい人の仲介を行う仕事です。主な仕事内容としては、物件の掲載や内見の立ち会い、契約業務などです。
2つの業務を比較すると、売買仲介の方が、より専門的かつ幅広い不動産知識と経験が求められます。
1-2.不動産売買の仲介には「宅地建物取引業」の資格が必要
不動産売買や賃貸の仲介・代理業は宅地建物取引業の免許を保有している人のみが従事できます。
宅地建物取引業の免許取得にあたり、一つの不動産会社に勤める従業員5人中、1人が宅地建物取引士の資格を保有していなければなりません。
また、不動産売買時の契約書作成や重要事項説明などは、宅地建物取引士の資格を持った人しか行えません。
自己所有する物件の売買を自ら行う場合、資格の有無は問われませんが、売買契約書の作成等、専門的な手続きをしなくてはならない点に注意が必要です。
2.不動産仲介業者に依頼するメリット

不動産仲介を依頼すると仲介手数料がかかるため、悩む方もいるのではないでしょうか。
しかし、仲介業者に依頼すると以下のメリットがあります。
- 販促活動で買い手や貸し手を探してくれる
- 契約書類の作成などを代わりに行ってくれる
- 売却、賃貸について的確なアドバイスがもらえる
不動産仲介業者に依頼すると、インターネット広告やチラシ等の販促を行い、買い手や貸し手を探してもらえます。
さらに書類作成を代行してくれるほか、価格設定や内覧時の対応、スムーズな契約締結のためのアドバイスもしてくれます。
このようなサービスを受けられる点が、不動産仲介を依頼するメリットです。
3.【2023年最新】不動産仲介業者ランキング
ここでは、取扱高が上位の不動産仲介業者をランキングで10社ご紹介します。
順位 | 企業名 | 取扱高 (百万円) |
手数料収入 (百万円) |
---|---|---|---|
1 | 三井不動産リアルティグループ | 1,783,232 | 84,985 |
2 | 東急リバブル | 1,315,942 | 62,261 |
3 | 住友不動産販売 | 1,287,508 | 67,063 |
4 | 野村不動産ソリューションズ | 872,337 | 35,156 |
5 | 三井住友トラスト不動産 | 472,426 | 20,221 |
6 | 三菱UFJ不動産販売 | 405,969 | 16,349 |
7 | みずほ不動産販売 | 407,804 | 16,001 |
8 | オープンハウス | 236,422 | 10,979 |
9 | 積水ハウス不動産グループ | 243,231 | 12,028 |
10 | 東宝ハウスグループ | 177,712 | 8,528 |
参考:公益財団法人不動産流通推進センター 2023不動産業統計集(3月期改訂)
上位にランクインしたのは、いずれも広範囲に複数の店舗を持つ大手不動産会社です。
こうした大手不動産会社は広告にかけられる予算も十分に確保しています。
そのため、仲介を依頼すればWEBサイトに広告を掲載し、より多くの人に不動産情報を届けてくれます。
しかし地域の特性や事情に精通していないこともあるため、広範囲から購入希望者を募らない場合は、大手より地域密着型の不動産会社に仲介を依頼するのが得策です。
4.不動産仲介業者に依頼した場合の仲介手数料はいくら?

不動産仲介業者を利用すると、仲介手数料が発生します。最近では、仲介手数料無料の不動産会社もありますが、注意が必要です。
この章では、仲介手数料の計算方法と無料の不動産会社の注意点について解説します。
4-1.仲介手数料の計算方法
仲介手数料の金額は、宅地建物取引業法(宅建業法)で上限が定められています。
不動産売買で支払うべき仲介手数料の上限は以下の通りです。
取引金額 | 仲介手数料 |
---|---|
200万円以下 | 5%+消費税 |
200万円超400万円以下 | 4%+2万円+消費税 |
400万円超 | 3%+6万円+消費税 |
たとえば、不動産を5,000万円で売却した場合の仲介手数料は以下のように算出します。
仲介手数料はあくまで不動産売却が成立した際の成功報酬として支払う費用です。そのため、売りに出したものの買い手がつかなかった場合、仲介手数料を支払う必要はありません。
なお、賃貸の場合は「家賃の1ヶ月分+消費税」が仲介手数料の上限とされています。
4-2.仲介手数料無料の不動産会社に注意
「仲介手数料無料!」とうたう広告を目にしたことがある方もいるでしょう。一見、大変お得なように思えますが、実は売主にとってメリットばかりではないため注意が必要です。
仲介手数料は、不動産仲介会社にとって重要な収入源です。仲介手数料を無料にするということは、両手仲介で買い手から仲介手数料を得られる状態にあるか、もしくは買取を目的としている可能性が高いといえます。
両手仲介でも買主がスムーズに見つかればよいですが、なかなか見つからない場合、結果として、不動産の売却価格を下げなければならなくなるリスクがあります。
そのような場合は、仲介ではなく不動産買取業者に「買取」を利用することも視野に入れましょう。
不動産を買取で売却する場合、売却価格は相場の7~8割程度になりますが、売買時に仲介手数料が発生しません。
そのため、仲介で売却価格を下げるより、高値で売れる可能性があります。
5.不動産仲介業者を選ぶ際の注意点

不動産仲介業者を選ぶ際は、次の3点に注意してください。
- 宅建業の免許番号をチェックする
- 営業担当者の対応を見極める
- 3つの媒介契約の違いを理解して契約する
どのような点に注意すべきか、具体的に解説します。
5-1.宅建業の免許番号をチェックする
候補の不動産仲介業者の「宅建業の免許番号」をチェックしましょう。
不動産仲介業者が所有するまた、宅建業の免許には、免許の更新回数が記載されています。免許番号は「国土交通大臣(数字)第〇〇〇〇号」の並びで記載されますが、(数字)の部分が免許更新番号です。
免許は5年ごとに更新されますので、(1)とあれば取得してから5年以内であることが分かります。免許更新番号の数字が小さいほど、運営年数が短い仲介業者ですので、参考のひとつにしましょう。
免許番号は、不動産会社の店舗の目につくところに掲げられていることがほとんどです。またインターネットで調べる場合は、不動産会社の会社概要ページに掲載されていることが多いです。もしなければ都道府県庁や国土交通省の地方整備局に問い合わせることもできます。
5-2.営業担当者の対応を見極める
不動産をスムーズに売却できるかは、不動産仲介業者の手腕によるところが大きいといえます。
実力のある不動産仲介業者かどうかは、以下の対応に現れます。
- 査定結果に対して質問をした際に根拠を教えてくれるか
- メールや電話の折り返しのレスポンスは早いか
- 熱心に販促活動を行ってくれるか
- 販促活動の結果を共有し、改善策などを提案してくれるか
特に、査定結果の質問に対する回答やレスポンスの速さは契約前にもチェックできるので必ず行いましょう。複数社に一括で査定依頼をして比較すれば各社の差がよくわかります。
複数社に依頼するメリットについては5章でも解説していますので、併せてお読みください。
5-3.媒介契約の違いを理解して契約する
媒介契約は一般媒介契約、専任媒介契約、専属専任媒介契約の3種類があります。
それぞれ違いがあるため、契約の際には注意が必要です。
■3種類の媒介契約と特徴
一般媒介 | 専任媒介 | 専属専任媒介 | |
---|---|---|---|
複数の不動産会社との契約 | 〇 | × | × |
売り主が見つけた相手との取引 | 〇 | 〇 | × |
レインズへの登録義務 | 任意 | 7日以内 | 5日以内 |
売り主への業務報告 | 任意 | 〇 | 〇 |
媒介契約の有効期間 | 任意 | 最長3ヶ月 | 最長3ヶ月 |
一般媒介契約は、複数の不動産会社と契約ができます。買い手も自分で見つけてよいので売却活動の自由度が高いと言えます。
しかし、レインズへの登録義務がないため、不動産仲介業者が登録してくれないと情報発信できる場が狭まってしまい、買い手を見つけるチャンスは少なくなってしまいます。
また複数社と契約できるのは売主にとっては良いことですが、不動産会社からすれば他社と競うことになるので積極的に営業活動してくれない可能性があります。
専任媒介や専属専任媒介は、どちらも契約できるのは1社のみです。
その分、不動産会社は自社のみの契約なので、積極的に営業活動を行ってくれる可能性が高いでしょう。
それぞれのメリットとデメリットや選び方は関連記事でも詳しく紹介しています。
実際に売却を行う際は、不動産会社選びの注意点だけでなく、不動産売却のコツも把握しておきましょう。
詳しくは以下の記事をご覧ください。
また、マンションを売却される方は『 マンション売却を依頼する不動産会社の選び方!見極めるポイントも 』もあわせてご覧ください。
6.複数社に査定依頼して自分に合った不動産会社を見つけよう

一口に不動産仲介業者といっても、各社ごとに得意分野や担当者の営業スキルに大きな差があるのも事実です。
数多くある不動産会社の中から、得意分野と営業スキルの高い会社を見つけるためには、複数社に査定依頼することが大切です。
査定結果では、査定金額はもちろん、販促戦略をどれだけ熱心に提案してくれるかを比較しましょう。
複数社への査定依頼は、一括査定サイト「IELICO(イエリコ)」 がおすすめです。
「IELICO(イエリコ)」 は厳選された優良企業2,100社から条件に適した会社を提案します。
さらに、その中から最大6社までを自分で選択することができます。
また、12,500件以上の口コミを参考に、自分に合う不動産会社を見つけることが可能です。査定を依頼する会社を探すなら、「IELICO(イエリコ)」 をぜひご活用ください。
この記事のポイント
詳しくは「1.不動産仲介業者とは」をご確認ください。
不動産仲介業者に依頼するメリットは以下の通りです。
- 買い手や貸し手を探してくれる
- 契約や書類作成などを代わりに行ってくれる
- 売却、賃貸について的確なアドバイスがもらえる
詳しくは「2.不動産仲介業者に依頼するメリット」をご確認ください。
不動産仲介業者に依頼する際の注意点は以下の通りです。
- 宅建業の免許番号をチェックする
- 営業担当者の対応を見極める
- 3つの媒介契約の違いを理解して契約する
詳しくは「5.不動産仲介業者を選ぶ際の注意点」をご参考ください。
この記事の編集者

IELICO編集部
家を利口に売るための情報サイト「IELICO(イエリコ)」編集部です。家を賢く売りたい方に向けて、不動産売却の流れ、税金・費用などの情報をわかりやすくお伝えします。掲載記事は不動産鑑定士・宅地建物取引士などの不動産専門家による執筆、監修を行っています。
カンタン1分入力
最大6社にまとめて 売却査定依頼
人気記事
- 新築マンションを高く売却するコツとは?売るタイミングや買ったばかりで売る注意点も解説
- 家の売却でやってはいけないこと8選!失敗・後悔しないためのポイントを紹介
- 2025年問題まであと2年!不動産は本当に大暴落するの?今後の不動産売却のタイミングは?
- 【2023年10月導入】不動産賃貸の大家さん必見!インボイス制度の全貌と今やるべき対策を完全解説
- 抵当権抹消登記を自分でやってみたい!手順と注意点
- 不動産売却で確定申告を行う手順・必要書類・税金の計算方法
- マンション売却に消費税はかかる?課税・非課税の条件を個人・個人事業主・法人別の売買ケースで解説
- 不動産登記簿は無料で閲覧できるのか?取得方法と書き方を解説
- 【2023年更新】最新の路線価発表状況からみる動向
- 全国地価マップの見方!価額が表示されない地域の調べ方も解説